都内某所で Flight Simulator による F/O 訓練。B737-800 で 2.0H。
Straight & Level Flight
いつものとおり Take Off from RJTT RWY 34R から 6,000 ft, 240 kts での Straight & Level Flight。
前回の反省から、5,000 ft → 6,000 ft への上昇を 2 分以内に収めるべく、4,000 ft - 5,500 ft は 2,000 ft/min を維持、その後は 100 ft ごとに - 400ft/min ずつ緩やかにすればよいと予め VSI の諸元を設計してきたものの、VSI が感度が高すぎて想定通りにいかず。諸元設計が大事、だから事前に設計してきた、しかし、うまくいかない、と正直に N 教官に告白すると、Take Off 再チャレンジすることになり、ポイントポイントで "Pitch" を中心に指示される。これで開眼、驚くほどスムーズかつ正確に上昇できるようになる。
操作の対象とすべき目標は A/S や Alt の水準ではなく、ましてやそれよりも感度が高い VSI などではなく、Pitch だ。所望する諸元や姿勢には、まず Pitch の所要水準がある。それを維持できていれば A/S と Alt がほぼ所望する水準に位置する。その上で A/S と Alt のトレンドを読み Pitch を微調整する。もし、Pitch 操作で A/S と Alt が所望水準方向へ相殺する動きにならなければ Throttle 設定がズレている。
Straight & Level では Pitch = 2.5°+. Throttle = 63% で安定する。Climb (Altitude Change) では Pitch = 5°+, Throttle = 73% とすると VSI は + 1,000 ft/min で安定する。同様に Pitch を主目標、Throttle を副目標として下表の諸元を維持するとスムーズに Take Off Climb ができる。
B737-800 | A/S | Pitch | Alt | VSI | Throttle |
---|---|---|---|---|---|
Rotate | VR | 0 | 0 | TO/GA | |
Rotate + 5 sec | 12.5 | ↓ | |||
400 ft | 159 | 17.5 | 400 | 4,000- | ↓ |
3,000 ft | 240 | 10.0 | 3,000 | 3,000- | ↓ |
1,000 to Level Off | ↓ | 7.5 | 5,000 | 2,000- | 80% |
500 to Level Off | ↓ | 5.0 | 5,500 | 1,000- | 70% |
Level Off | ↓ | 2.5+ | 5,950 | 500- | 63% |
小型機ではあまり Pitch を意識しない。Throttle で諸元 (特に Alt) の絶対水準がほぼ決まることに加え、Gust で失速になりうるほど低速であることから、Scan の中心が A/S になるためだ。
一方、ジェット機は高速であり、Pitch 髪の毛1本分で A/S も Alt も VSI も大きく狂う。したがって 、感度の高い A/S, Alt, VSI の水準を追いかけてはいけない。それらの "トレンド" を先読みし、Pitch を整える。水準を追いかけるべきは Pitch (と Throttle)、A/S, Alt, VSI はトレンドを追いかける、が Scanning の本質である*1。
本日の重要ポイント
- ジェット機の諸元や姿勢は Pitch で作る
- Pitch (と Throttle) の水準を追い、A/S, Alt, VSI はトレンドを先読みするのが Scanning の本質