Private Pilot License

JCAB ライセンス切替申請

一年来、悩みの種であった Private Pilot License の FAA → JCAB 切替を九段下の東京航空局に窓口申請した。提出書類は下記のとおり。

  • 申請書(19 号の 2 様式)
  • 航空局指定返信用窓付封筒 (通常郵便の切手添付)
  • 外国ライセンス (提示のみ:提出するコピーと照合される)
  • 外国ライセンスのコピー
  • 住民票(本籍記載)
  • 写真(3 cm × 2.5 cm)
  • 格通知書のコピー (航空従事者学科試験:非免除科目の航空法規)
  • 航空経歴書
  • ログブックのコピー (飛行機の場合、特に下記の記録部分)
    • 最新の飛行時間40時間以上
    • 実地試験を受けた部分
    • 野外飛行(単独飛行 5 時間、270 km 以上、2 回の生地着陸 = 3 レグを含む)
    • 夜間飛行(同乗教育、離着陸と航法を含む)
  • 単独野外飛行ルート (離着陸点間の 3 レグを直線で結ぶ) を記したチャートのコピー

先人のブログ等を参考にして準備をしてきた。先人の経験談を読むと、やはり切替申請は誰にとっても悩みの種らしい。外国ライセンスからの切替申請 (特に JCAB 形式ではないログブック) が航空局にすんなり受理されるか、なかなか不安を拭えないのがその理由。

実際に申請してみてわかったのは、切替申請は FAA ログブックでも受け付けてもらえる、航空経歴書に記載する項目を JCAB ログブック形式と同等程度に明確に提示できれば切替申請は恐れることはない、ということ。したがって、First Cross-Country に出る前に JCAB ログブックのフォーマットと航空経歴書を入手し、その形式で Excel でも使って Dual Recording しておくことを推奨*1する。

私の場合、訓練を初めて少ししてから JCAB ログブックを入手し、FAA, JCAB, Excel で Triple Recording していた。JCAB ログブックを使い始めたのは、あわよくばこちらで切替申請しようと考えたからだが、過去分の飛行ログについて教官の署名を再収集することが完了せず、目的は果たせなかった。Excel に記録し始めたのは、メンテナンスすべき FAA, JCAB 2 つのログブックを比較管理するためだったが、最終的にはこの比較表を再整理し FAA ログブックに添付して提出することにより、スムーズに切替申請したいという目的を果たすことになった。

FAA ログブックを使用している場合に気をつけるべきポイントとしては、航空経歴書に記載することになる重要な飛行時間 (機長時間、単独総飛行時間、単独野外飛行時間、野外飛行時間、夜間飛行時間*2)のレグは JCAB 形式でも Excel 等に記録を残しておくということ。さらに下記は厳禁。

  • 野外飛行の際に場周経路を廻って Touch & Go / Stop & Go をしない。
    • 場周経路飛行時間は野外飛行時間ではないと判定される可能性がある。
    • その飛行時間を控除しようとしても、レグを分けて記録していない限り、控除すべき時間について明確な根拠がないという事態に陥る。
  • 野外飛行の際に距離の近い空港に立ち寄らない。
    • PGSN - PGWT などは航法を利用せずに目視で飛行できてしまうため、野外飛行ではないと判断される可能性がある。
    • レグを分けて記録し野外飛行時間から控除したとしても、野外飛行の最中に野外飛行時間に相当しないレグが含まれるという奇妙な状況になる。

私は上記 2 つをやってしまったため、記録の上で不明瞭とみられかねない時間を前述の FAA / JCAB 比較表上で保守的に整理しなおした。ただしそれは、航空経歴書上ほとんど重視されない同乗教育 / 夜間野外飛行時間であったため、申請は意外なほどすんなり受理された。これがもし単独野外飛行 (3 レグ) において発生していたら、申請が通らず JCAB ライセンス取得は断念せざるを得ないという事態に陥っていたかもしれない。

FAA か JCAB かに関わらず、気を付けるポイントとしては、下記のとおり。

  • 単独野外飛行 (特に精査対象となる 3 レグの野外飛行) と夜間着陸は Touch & Go ではなく、必ず Full Stop する。
    • FAA 形式では無頓着になってしまうが、出発時刻 / 到着時刻も記録する JCAB 形式では Full Stop していないとみなされ、資格要件を満たさないという可能性がないとはいえない。
  • Check Ride までの飛行時間でいったんログブックの記録を終了させ、そのページに Check Ride までの Foot Total を記入する。同ページの Check Ride 以降に余っている行には斜線を引き、記録しない。(Check Ride 以降は改ページして記録する。)

航空経歴書(表)

航空経歴書(裏)

*1:航空経歴書にはさまざまな飛行時間を記録する欄があるが、その欄に付記されている番号が JCAB ログブックの項目番号と合致しているため、First Cross-Country に出る前に航空経歴書に目を通したうえで JCAB 形式の記録に慣れておくことが吉。

*2:航空経歴書には他に総飛行時間と計器飛行時間を記載することになるが、これらの時間が食い違うことはおそらくない。