Interest という語
英語には Interest というとても Interesting な単語がある。「持分」「興味」「利子」と訳される。日本語では3つになる単語が英語では一語なのである。
投資家は株式や債券といった Interest (持分) を持つ。すると投融資先の企業経営に Interest (興味) を持たざるを得ない。したがってコーポレート・ガバナンスが働くのである。そして Interest (利子・配当) という経営の成果を手にする。つまり「持分」を持つこと、「興味」を持つこと、「利子」を受けることは全く同じ行為を表しているのだ。したがってどれも Interest の一語となるわけである。
日本では別の単語で表すとおり、この3つは同じ行為とは考えられていないふしがある。だから「企業は誰のものか」という不毛な感情論がしばしば展開される。だから政府 Government に対する国民のガバナンス Governance が発揮されず、官僚の横領が止まない *1。
言語感覚というのは根深いものである。グローバル化で海外のビジネスが流入してきても、法体系を英米法風に整備しても、制度の根底にある哲学から学ばなければ「仏作って魂入れず」なのだ。