Radio Operator License

航空無線通信士受検

日本の空を飛ぶには JCAB ライセンス、JCAB 基準の航空身体検査、そして、無線従事者のライセンスが必要。日本で飛ぼうと本気では思っていないが、とりあえず無線従事者のライセンスを取得することにした。自家用操縦士として飛ぶには航空特殊無線技士という資格でよいのだが、操縦免許と違って自家用・事業用の間にコスト差があまりないため、プロ用の航空無線通信士を受検する。

勉強は...あまりしていない。仕事が忙しく 20 時間弱くらい、予定量の 70% 程度しか勉強時間をかけられなかった。そして迎える受検当日...

  • 無線工学

今回の試験はきわめて易しい。苦手な受信機・送信機のモジュール構成も簡単な問題しか出題されない一方、情報科出身としては寝てても解かる論理回路などが出題される。15 分で全問を解き終わり、あまりの簡単さを警戒して念入りに何度も確認してもかかったのは 35 分。途中退出が許される試験開始 45 分後まで 10 分待って退出する。

多くの受検生が 45 分で退出するため、監督官が列ごとに区切って退出させる。そのせいで、私が退出したときにはすでに廊下のベンチが人で埋まり、立ちながら次の法規の勉強をすることになる。

  • 法規

苦手な科目。勉強も不完全なのだが、それでいて絶対に再受検は回避したい。

初見の問題が A・B 問題それぞれで 2 問ずつ出題された上に、A 問題で正答を明確に憶えていないものが 1 問。全力で解答する以外に道はないのだが、皮算用してみる。A 問題は最悪 3 問誤答で 11 x 5 = 55 点確保、B 問題は最悪 25% 誤答で 30 x 75% = 22 点程度確保で 77 点かと。自信がない問題を適当に解答してもおそらく合格するのではないかとひとまず安心するものの、一応、全精力を傾けて正答を推理する。

多くの受検生が 45 分で退出するが、私はなおも問題に取り組む。ひととおり推理した上で解答し、そして見直し、考えても仕方ないという状況になり、試験開始 55 分後ごろ退出する。これまた、退出時には廊下のベンチが人で埋まっているため、近くの公園で簡単にランチを済ませる。

  • 英語

英語はいつもどおりきわめて易しい。過去問 4 回の平均正答率が 95% 程であったため、特に対策なし。

英会話 *1 の 2 問目は後半の大事な部分がよく聞き取れず、ちょっと焦るものの、それをひきずらず冷静に対処する。英会話は 7 問中最低 3 問正解しないと足切りになるが...どちらかというと満点を逃したかもという点で残念。事前にいろいろ読んだブログでは、発音が不明瞭だとか、日本人の変な英語だ *2 とか、速いとか、聞き取りにくくて難関と書かれており、脅かされたが、実際はそんなことはなく、おおむね 1 回目の読み上げで正確に理解できるため、さっさとマークすれば次の問題の選択肢を先読みできる余裕がある *3

読解の方も易しく、こちらはおそらく満点をとっていると確信する。この科目も退出時間までしばらく時間を持て余す。

英語は、(再) 受検者数が多い一方で途中退出する人も少ないことから、苦手な人が多いのだなぁと感じる。そして、試験後の周囲の会話から、英語の再受検で何度も来ている人、次の受検を覚悟する人などもわかったりする。まあ、この試験の受検者は、操縦士や航空業界を目指すプロ志向の人よりも、アマチュア無線から始めて 23 もの種類がある無線従事者資格 (の許される操作範囲) を広げようとして来る無線オタク資格ゲッターが多いであろうため、さもありなんとも思う。

  • 電気通信術

電気通信術は練習が必要と思いながら、フリーソフト PHTRY100 を利用した練習は試験前 1 週間に 5 回くらいしかできず、不安を抱えつつ本番に臨む。

受話は正確に書き取っていくが...2/3 くらい進んだところから緊張して手が、そして、文字が震えだす。ようやく 100 文字終わった〜と気を抜いたところ...それは勘違いで実はまだ終わっておらず、読み上げが続いたため、あわてて書き取りに復帰する。全文字書き取ったものの...震えと勘違いで注意散漫だった後半については大幅減点の可能性も若干あり。脱字 (聞き漏らし・脱字) なら -1 点だが、誤字なら -3 点となるため、注意散漫で K と Q、B と V、L と R などを書き間違ったりするのが一番よくない。

次に送話。送話は受検番号順に 3 人ずつ別室に呼ばれ、試験官と 1 対 1 となり、同室の隅で各組同時に始める。私は受検番号 3 番だったため、第 1 組目となる。早く終わるのはよいが、初受検なのに、周囲を眺めて慣れる余裕がないのが少し不利だった。「始めます、本文」と始めると、なんと対角に座っている受検者が読み上げるものと同じ文字列で、しかも、その受検者がやや大きな声であったため、非常にやりにくい...負けじと声を大きく、そして速度を速めて読み上げる。このやっかいな環境が気になりすぎて、途中、頭が真っ白になり、無意識に読み上げを続けていた。練習が不完全なため、無意識に読み上げると前述の文字を取り違えるリスクが高くなるところだが、なんとか間違わずにやり切ったようだ。試験官のフィードバックによると「所要時間 1 分 10 秒、不明瞭・読み直しが1箇所 (訂正は入れていないため無意識)、Papa のアクセントが前にある (本来は後ろ)、しかし、送話は充分合格水準です」とのこと。「むこうとシンクロしちゃったね、シンクロは有利かな、それともやりづらくて不利だったかな」とも...いや、やりづらい以外の何物でもない、なぜ、同じ文字列を同室の試験に使うのかと言い返す...ことは当然できず。


3 日後に公表された解答で自己採点すると、無線工学 64/70、法規 74/100、英語 100/105 は合格。法規は見積 (皮算用) が外れてヒヤヒヤする。電気通信術受話が及第ならば、一発合格となる。

*1:会話と言いながらただのヒアリングでしかない。

*2:これは電気通信術の受話のことかもしれない。

*3:問題文は 3 回読み上げられ、その後 1 分の解答時間がある。1, 2 回目の読み上げはゆっくり、3 回目は通常の速度。次の問題の前に「あと 10 秒です」との案内がある。