Training in Commercial Pilotage with FTD - Scanning

都内某所で Flight Simulator による F/O 訓練。B737-800 で 2.0H。

Acceleration / Deceleration

本日の訓練内容は Acceleration / Deceleration (増減速)。前回と同じ K 教官。

前回 Take Off からの Climb & Level Off がうまくいったため、今回もある程度うまくいくかと思いきや、Heading 100 へ右旋回を指定されていたため転針に気を取られ、教官に指摘されるまで上昇を続けてしまい、700 ft も Overshoot してしまう。前回と比較するといろいろとブレるものの、それでも以前よりも Scanning と操作が丁寧になっており、大きく逸脱することはない。ということで増減速の練習開始。

10 回弱の増減速訓練と教官の助言により開眼。これまで一切できていなかった操作のリード設計ができるようになり、また、操作と Scanning が連動するようになる。操縦とは (Pitch & Roll の) 逸脱を収束させることと悟りけり。実感として得たポイントは下記のとおり。

本日の重要ポイント

Pitch の揺らぎと Roll (Bank) の揺らぎを同時に制する

  • 全般
    • Pitch も Bank も Power も (所望方向へ動くために) 変化させたら (安定する水準へ) 戻す
    • Yoke はきちんとグリップし、Pitch Up / Down ともに反応が遅れないようにする*1
    • Yoke 操作する腕はアームレストを使い、Pitch を固定できるようにする
  • Altitude
    • VSI の揺らぎを "先読み" してフゴイドを収束させる
    • ただし、操作の基準水準は Pitch に置く (VSI を基準にすると Delayed Feedback により揺らぎが発散する)
    • 増減速では Power 操作後、徐々に変化していく VSI 揺らぎの強さと水準に応じて Pitch の基準水準を変えていき、Altitude を維持する
    • 高速時は Pitch に対する Altitude の感応度が高いため、Pitch は特に精緻に制御する
    • 低速時, 減速/降下 Exit 時は Power に対する Altitude の感応度が高いため、Power 操作は適切なリードを設計する
  • A/S
    • Altitude を維持していれば、徐々に意図した方向へ増減速していく (Altitude を維持しないと A/S が意図した方向へ安定的に移行しない)
    • Trend Vector (A/S 加速度 を示す Green Arrow) が Target A/S の Bug を超えないように徐々に Power を修正して Exit を図る
  • Power
    • 6,000 ft なら増減速 Exit 時に安定する Power Settings は 220 kts = 61%, 240 kts = 63%, 280 kts = 67% くらい (現在は訓練のためいつも重量固定としている *2 )
    • 適切なリード, タイミング, 変量を設計する (早くても遅くても Altitude か A/S が大きく狂う)
    • 急操作はしない (急操作をするとその後の変化にうまく対応できなくなる確率が高い)
    • EICAS は凝視しない、しかし、Power 操作前の水準、操作後の水準と左右出力差は必ず確認する
    • 左席から右手で Throttle 操作をすると小指側 (右エンジン) の出力が相対的に低くなる傾向がある
  • Bank
    • PFD 上部を見て Bank Indicator の揺らぎを収束させる
    • ND は結果としての Heading Deviation がわかるため、これを情報源とすると事後修正しかできない
    • Bank が 0 であれば Heading はズレない
    • Bank 0 ±0.2° (1 ドット) 以内で収束させる精度が身につけば
      • Bank/Heading 調整は PFD 上部/下部の Bank Indicator/Heading Indicator で完結する
      • エンジン左右の出力差が Heading に与える影響を感じられるようになり、N1 Power Balance を繊細に制御するようになる

*1:これまで Up Trim ぎみにセットし Yoke を常に押すことで Neutral としておき、圧を緩めることで Pitch Up していたが、その方法だと Up / Down が非対称となる。特に Trim が Fit する点以上に Yoke を引かなければならない時に圧緩和から Yoke を握り直して人差し指で引く操作へと必要動作が変わってしまうため、スムーズな移行と繊細な操作ができておらず Pitch Up の反応が遅れる傾向にあった、と思う。

*2:本来、諸元は高度と重量に依存する。