Training in Commercial Pilotage with FTD/FFS - Constant-Rate-and-Speed Climb / Descent, Lead Design for Level Off

羽田空港内某所で Flight Simulator による F/O 訓練。B737-Max で 2.0H。

本日は昨年 12 月の時に指導いただいた K 教官。Yoke の握り方や Elevator Trim Switch の触り方だとかに厳しい。正しく持たないと反応が遅れるし、まねごとではなくプロの方法を教えてもらうのは大変ありがたい。

Constant-Rate-and-Speed Climb / Descent & Climbing / Descending Turn

まずはいつもどおり RJTT RWY 34R から 6,000 ft 240 kt を目指す。5,000 ft まではいつもとは異なる指定 Climbing A/S、5,000 ft で HDG 100 への転針指示とあったものの、指定 HDG になることには A/S + 1kt、Alt ± 0ft, HDG ± 0° でピタッと Roll & Level Off させ、安定していますね~とお褒めいただく。

ここから Constant-Rate-and-Speed Climb / Descent の訓練開始。Level Off は VSI x 10% ft 手前から Power 調整開始、VSI x 5% ft 手前から Pitch 調整開始という前回の助言を活かすと、通常の Level Change はおおむね安定して Level Off でき、これまたお褒めいただく。

ただ一度だけ、Descnet で A/S が + 12 kt まで増速してしまっているのにこのタイミング法にやみくもに従ったため、Level Off がムチャクチャになってしまったことがあり、これを機に「Alt および VSI を Pitch で調整し、その上で出来上がる A/S を Power で調整する」のだと助言をいただく。ん? ということは Pitch → Power という操作順になり、前回の現役パイロット教官の助言と 180° 真逆の助言だぞと。しかし、おそらく前提条件の違いによるもので、どちらも間違っていない。その証拠に前回は Power を先、Picth を後にすることにより安定した Level Off になるということは理解できたが、うまくハマったのは基本の時だけで、A/S が目標から乖離しているときに開始点や操作スピードをどれだけ調整すればよいかは設計できなかった。きっと、操作タイミングの前後関係については前回の助言、操作量については今回の助言を取り入れ、体系立てて理論化すれば技量が飛躍的に向上するはず *1

応用編ということで訓練中盤は Turn を加えて Climbing / Descending Turn へ移行する。Turn を加えると、安定しているときは安定しているが、ダメなときはダメと出来栄えが少しボラタイルになる。調整対象が Alt と HDG の2軸となり複雑になるため、調整を体得できている (と感じる) シーンでは2軸であっても安定してこなせるが、「どちらへ操作するのだっけ?」と頭で考えているシーンではメタメタになっていると思われる。以前よりはだいぶんと技量向上したものの、瞬時に正しい方向へ調整するように身体が自然と反応するようにならなければならない。

Steep Turn

f:id:Crayon:20201025222010j:plain:right:w600同じ訓練科目ばかりでは飽きるでしょうと、訓練課程から外れてというか先行して、ジェットで初めての Steep Turn (Bank 45°) をやることに。Bank 角 30° を超えると "Bank Angle! Bank Angle!" の警報が鳴りやまない。ジェットエンジンは Power が操作に遅行するし大型機は慣性があるから、きっと操作はグダグダになるかと思いきや、教官に教わった

  • Pitch は 5° (同時に Bank は 45°) を常に維持
  • Pitch を維持することで Alt はほぼ維持できる (= Alt と VSI をスキャンして Alt を維持する Pitch を保つ) 一方で A/S が落ちてくるためそれを Power 操作して補う

という2点を気を付けていれば驚くほどきれいに Steep Turn が決まる。Pitch が維持できなければもちろん、Bank 角が 2° ズレても教官から指摘が入る。脇を締めて Pitch & Bank を維持する。Bank 45° で 5° ラインに Pitch を固定すると PFD 上の正方形のポインタがそろばんのように串刺しになるので、これをダイヤモンドと呼ぶらしい。この状態 (写真参照) の維持を目指す。ちょっとした他の Tips は下記の通り。

  • Bank 30° を超えるくらいから Power を入れ始める
  • Power 調整の目安は 5% 程度
  • Roll Out は Bank 角の半分くらいから始める ... これは Steep Turn に限らず、ジェットに限らず

Steep Turn でも、Pitch で Alt 維持、Power で A/S 調整というのが通念となっている。

本日の重要ポイント

  • (VSI でフゴイドの先を読みつつ) Pitch で Alt 維持、その上で出来上がる A/S を Power で調整、が基本
  • Steep Turn では脇を締めて Pitch 5° & Bank 45° を維持、Power 調整は 5% 程度
  • Pitch + Bank は常にウォッチし、Alt + VSI *2、A/S + Power、HDG は横目で瞬時に確認
  • Yoke は正しく握る、Elevator Trim Switch は使う時だけ指を遣る

*1:おそらく「Pitch = Alt 調整 → Power = A/S 調整」がいつでも (= 所望諸元との乖離が大きいときでも) 応用が利く調整の基本形、ただし、この手法では操作してから機体の反応を伺ってリアクションすることになり Stabilize までの所要時間が長くなるため、目標水準感がわかっている (Power = 63% で Level Flight になるなど) 、かつ、乖離が小さいとき (Descent Level Off の場合に目標 A/S + 2 kt 未満など) に微調整するために使う手法が「Power 先行 → Pitch 遅行」なのだと思う。

*2:おそらく VSI などは視線を遣らず、周辺視野で確認できるようになるとプロ水準なのだと思う。