月6 税務会計A (勝島敏明先生)
冬季休暇。
月7 戦略的思考とコミュニケーション (川本裕子先生)
冬季休暇。
水6 国際会計トピックス (高橋健一先生)
今週のテーマは、プッシュダウン会計。
プッシュダウン会計に関連して検討しなければならない問題を仕事で抱えていたので質問してみたところ、いい授業材料になったとのこと。
おそらく日本で初めてのケースになるであろう複雑な合併・分割を見込み客が抱えている*1。要請される財務諸表を考えると会計処理およびシステム構築がとんでもなく大変な問題を抱えることになりそうだと懸念している。だが、それを懸念しているのは私だけで、当事者・関連者はまったくわかってなさそうだということがさらに大きな懸念。問題整理で前者の懸念は大筋で正しいと判明。時宜を得て仕事と勉学が相乗する幸運の喜びと問題への対応負担の重さを同時に味わう。
水7 応用コーポレート・ファイナンス (新井富雄先生)
今週のテーマは、ヘッジとオプション。
オプション・プライシングの解説なのだが、よくあるヨーロピアンのみならずアメリカンの導出概念まで解説するのがこの講義のよいところ。
2週間後締切の課題が出る。
金6 ミクロ経済学の基礎 (蟻川靖浩先生)
今週のテーマは、独占的競争、市場の失敗、外部性。
市場の失敗は政府 (政策) が補うべきものだが、最近はその政府が失敗する。「政府の失敗」を分析するのが経済学の昨今の潮流とのこと。
この国はよい例に溢れている。「国の乱れは国の乱れにあらず、官の乱れにあり」とは、古来よりいわれる革命の根拠。
金7 事業再生 (田作朋雄先生)
今週のテーマは、日東興業のケーススタディ。
ドイツ法の流れを汲む破産法・和議法 (現・会社更生法) と米連邦法の流れを汲む会社更生法・民事再生法を持つ日本はいまや世界に冠たる倒産法環境を完備した。厳罰主義に基づく法的整理 (破産法) と敗者復活主義に基づく私的整理 (民事再生法) のどちらが正しいかとの法学論争がしばしば起こるが、それを決めるのは経済実態という「メタ」法学であり、法体系内で論争するのは全く不毛だとのこと。
議論は議論の対象の内部で決着しない。対象を俯瞰するメタな視点を持って初めて決着する。私がいつも主張する「技術の意思決定を技術論で行うと水掛け論に終始する。会計・法務・税務といった強制力をもつビジネス・インフラストラクチャー上で議論して初めて決着する。なぜなら意思決定とはプレイヤーの行動原理であり、行動には強制力が必要であるからだ。」という論点と同じ構造だ。
土3 アセット・プライシング (池田昌幸先生)
今週のテーマは、多期間モデルにおける価格決定と動学的完備性。
Dynamic Replication Portofolio により不完備性は動学的完備性になるとのこと。
プログラミングで言えば再帰呼び出し関数を定義して Divided Concur で問題を解くようなものだが、アセット・プライシングでは解析学の範囲 (行列階数) でしか考えていなかったので目からウロコ。自分の専門においてありふれているアプローチに気づかなかったことがちょっと悔しいので、自分なりの考察を2つ加えてみる。
証券価格はブラウン運動しているとモデル化される。時分割すれば不確実性は小さくなり、時間軸経路上の現在により近い状態はより良い精度で予測できるとの発想が根底にある。しかしこれはあくまでモデルであり、実際には、プライシングを規定する証券の将来価格が確定値として与えられようとも、そこに至る経路上での価格やリスク中立確率は確定できない。この経路不確実性が情報完備と情報不完備の差分情報である、というのが情報科学的な考察。
そして、「観測される確実な将来状態があろうとも、そこに至る経路は本源的な不確実性により特定できない」という面において量子力学の不確定性原理に似ている、というより本質は同じかも、というのが物理学的な考察。