月6 法学演習A (渡辺裕泰先生)
今週のテーマは、Taxes and Business Strategy 第7章。
企業の限界税率とタックス・プランニング。本講義3回目の山場。ファイナンス・会計学・税制の複眼的観点から企業の真の限界税率を算出し、タックス・プランニングの本質にせまる。7/3 締切の課題がでる。
月7 国際税務会計 (勝島敏明先生)
今週のテーマは、過小資本税制。
朝日新聞「武田薬品に追徴課税」は本講義のメインテーマである移転価格税制の関連記事。本件は無形資産と国際ジョイントベンチャーの移転価格税制ということで私の研究 (予定) テーマに重要な示唆を与える事例である。
木7 インベストメント・トピックス (竹原均先生)
今週のテーマは、Transaction Cost, Turnover and Trading。
取引コストによる磨耗損の測定を考察し、マーケット・マイクロストラクチャーが取引コストを決定する要素のひとつであるという示唆を得る。最後はシステム・トレードの動向について。
講義ののち先生と雑談。大学 (院) 時代にアルゴリズム論と暗号を専攻していたので情報論としてのシステム・トレードには強い興味がある。システム・トレードがいずれ収益を生まなくなるのは自己フィードバックの影響まで計算しないためにおこる水平線効果ではないかと進言。確かにゲーム理論の要素 (展開形ゲームの相互影響) は反映されないことが多いとのことで、得た結論は「永続的に収益を上げるシステム・トレードがあるとすれば、それは自律的に水平線効果を減じようとする自己成長プログラムであろう」ということ。展開形ゲームそのものを突き詰めるとバタフライ・エフェクトが大きくカオスに近くなりそうなことが想定されるが、ある程度の曖昧さを残した上で遺伝的アルゴリズム (GA) やニューラル・ネットワーク (NN) といった AI *1 を組み込めば、永続的とはいわないまでも息の長いトレーディング・システムができる気がする。
土2 バリュエーションとマーケット (岩城秀裕先生)
今週のテーマは、評価価値と市場価値、バブルの分析。
市場・評価間の価値ギャップの原因を探ると behavioral という行動ファイナンスや noise trader というマーケット・マイクロストラクチャーにたどりつく。7/10 締切の課題がでる。
流動性を与えるのは speculator だと思っていたが、実は noise trader であり、speculator はむしろ裁定・適正価格付けをする存在なのだと知る。プレイヤー全員が合理的に行動すると流動性は損なわれる。情報の非対称性がもたらす noise が流動性を与え取引を滑らかにするというのは、デジタル・サンプリング音の復元時にスムージング目的で noise を与える工学技術に似ている。
土3 会社法A (川島いづみ先生)
今週のテーマは、企業の買収・提携。
不祥事の裏には、やはり不明瞭・非合理・場当たり的な意思決定と厳しい経営環境があるものだ。最後の瞬間は後者が前者を招き、それが息の根を止めるが、後者を生み育てるのは前者である。
土5 パーソナル・ファイナンス (池田先生, 川口先生, 四塚先生, 米澤先生)
終了。
*1:個人的には「物覚えの悪い子に教え込む NN」よりも「自律的に進化してゆく GA」の方が、柔軟で解に近づきやすい感があり、好みである。