今週の授業について (07/10 〜 07/15)

月6 法学演習A (渡辺裕泰先生)

今週のテーマは、外国税額控除限度額と所得分散。

Excess Limitation と Excess Credit の解説。外国税額控除のグローバル最適化。Double Dipping *1 という国際税務の最適化手法を学ぶ。

月7 国際税務会計 (勝島敏明先生)

最終講。今週のテーマは、租税回避スキーム。

米国には Tax Avoidance と Tax Evasion の違いが明確にあるが、日本では包括規定の実質判断である。日本では税務リスクがきわめて高い。

木6 債券インベストメント (四塚利樹先生)

最終講。今週のテーマは、社債と信用リスク。

信用リスクを構造モデルとして捉えると、株価からデフォルトリスクが推定でき格付けできる。すなわち債券価格は株価に遅行するとのこと。

木7 インベストメント・トピックス (竹原均先生)

最終講。今週のテーマは、CAPM, APT Related Anormaly と投資スタイル。

リターンという表面からの分析を超え、スタイルという内在する構造からの分析によるポートフォリオ・マネジメントの解析。

土1 会社法A (川島いづみ先生)

補講(変則開講)。今週のテーマは、ファンドの法形態。

匿名組合は、出資契約から株式会社へ発展してきた大陸法の系譜の中で傍系として存在するとのこと。匿名とは有限性を意味する *2会社法体系を知る上で非常に重要な雑学。

土2 バリュエーションとマーケット (岩城秀裕先生)

最終講。今週のテーマは、買収バリュエーション。

授業の冒頭「いよいよ...」と始まるから「最終講ですね」とくるかと思いきや「ゼロ金利解除ですね」...(^_ ^;
「(企業)評価は何のためするか -- それは(企業の)育成のため」という言葉には含蓄がある。

土3 会社法A (川島いづみ先生)

最終講。今週のテーマは、組織再編。

株式交換・株式移転・会社分割の解説。会社法のうち施行日を1年遅らせた部分である外国企業の三角合併にも言及あり。

本日締切・提出の課題をやる過程で理解したことだが、商法/証券取引法/会社法という会社法体系の変遷は、破産法/会社更生法/民事再生法という倒産法体系の変遷や静態論/動態論・取得原価主義/時価主義という会計概念の変遷と表裏を成すもので、これらの変遷はその根底に債権者保護と投資家保護のバランス (持分優先劣後関係の調整) を求めて発展してきた「法と経済」の思想・哲学の脈流を共有する。

土5 パーソナル・ファイナンス (池田先生, 川口先生, 四塚先生, 米澤先生)

終了。

*1:この語の本来の意味は「ソースに浸してかじった野菜スティックなどの、そのかじり口を再度ソースに浸す」不作法のこと。

*2:株式会社もフランス語では societe anonyme という。