Training for Instrument Rating - 1st Day, 1st Stay

Biennial Flight Review & Basic Instrument Flying

Wind 130 at 7。N9853L で K 教官と 1.2 H の PIC Flight、2 Landings。

昨夜深夜到着の疲れがひどく残っていたこととこの日に帰ってしまう訓練生仲間と久しぶりに会話を楽しんでいたことから、受け身で気楽に受けられそうな IFR 訓練を希望。仲間との遅いランチに出ると Guam では Thanks Giving くらいでしか発生しないであろう交通渋滞にはまり、スクールに帰ってきたのが訓練開始時間 20 分過ぎとなってしまい、準備不充分のまま訓練に。一年半ぶりの実機操縦ということからか IFR ではなく、 Biennial Flight Review (BFR) に。しかも、訓練生を後ろに乗せての Flight。

準備不充分と想定外の内容で、ATC が全然ダメ。まず ATIS の Wind が取れない。Agana Ground で伝えるべき内容がグダグダ。というよりも、事前のバタバタで、せっかく用意した ATIS, Ground 交信を書き取るシートと Knee Board を持ち込み忘れている。

Outside of D の手前 ACI 側で Run-up したところ、Magneto Check で Left からチェックしてしまうわ、一度うっかり Off にしてしまうわ、で失敗続き。Left Magneto にすると機体がブルブル震える。いままでに経験のない変な振動で戸惑うものの、まあ、これまで Checklist で確認してきた通り PRM 計の針が下がっているからいいやと先へ進めようとする。教官から「こういうときはどうするの?」と聞かれるが、対処方法を教わったわけでもないため「わかりません」と答えると、教官は Throttle 2,200 RPM にして、Mixture をしばらく Lean にしてから Rich にし、また Throttle 1,700 RPM に戻してから「Magneto を再チェックしろ」と言う*1。今度は OK。この Run Up は Debriefing のネタになる。

そこそこトラフィックがある中、Rolling Take Off からの Climb は Right Rudder の踏み込みが甘く、左に流される。Right Turn Approve で、Barrigada Hill の手前、Pago Bay 経由で Practice Area B 4,500 へ。ここから Basic Instrument Flying。

Slow Flight を交え、右に左に Heading を指定されても、滑らかに移行し Attitude, Altitude, Heading, VSI がブレずに Cordinated Turn できる。これは先週の Simulator 訓練のおかげ。ところが、左右に Heading を振る中で教官が Heading 170, 190 を指定したのはもう一つ意味があり、東向きは奇数千 + 500 ft, 西向きは偶数千 + 500 ft という VFR Flying Altitude を試していたのだった。。。教官がメモメモする。。。ああ、これは希望した IFR 訓練というよりも、IFR 訓練っぽいことを交えて希望を満たしつつ行う BFR なのだな、とここではっきり認識する。うすうす気づいてはいたが。

そして Slow Flight から機首上げをさせられ Stall が近づいたところで、Stall Warning は機長席左上の空気孔脇の網目から聞こえるとレクチャーを受ける。機首を戻そうとしたら、では York を引いて Power-Off Stall と言われ、気持ちの準備ができないままに従うと右に傾き、Rudder で修正しているものの、うっかり少し Aileron も入れてしまったようで、ダメ出しされる。一年半前の Check Ride では完璧で褒められたのに。。。注意力散漫にさせておいて Maneuver させるという新手の揺さぶりに負けてしまった。

ここから Emergency Procedure。これがまた全然ダメ。Best Glide Speed 65 kt, Landing Field Select までの手続はとれたものの、システムチェックとリスタートを試みることなく Squawk 7700, Freq 121.5 としてしまって、教官から「それは諦めが早いね〜」なんて言われて失笑を買ってしまうし、Landing Field もきちんと定まらず、維持できず、Checklist も使わず。敗因は事前準備も心構えもできていないまま遊び気分で乗ってしまったことだが、PIC としてそんな言い訳が許されるわけもなく、反省する。

Approach Setup で ATIS をとると Wind 216 at 9 と言っている。何度聞いても同じ。10 度刻みではないし、Take Off 前の 130 at 7 から約 90 度もズレてる。Tower に inbound を宣言すると "continue inbound, expect RW 6R" と返ってくる。「Wind 216 なのに RW 24L じゃないのか?」と思っていると、教官が「これだから怖いんですよね〜、wind check もらいましょうか」と言う。Tower に wind check をかけると Wind 140 at 9。ATIS が悪いのか私の耳が悪いのか、しかし、こういうときに wind check をかけるものだということは理解した。

RW 6R で Touch & Go。一年半ぶりの Landing は、やや 3 点着陸ぎみだが、そこそこスムーズに。再上昇して Left Downwind を回る。教官が「Runway の上で Slow Flight してみてください」とのたまう。「?? 下手したら落ちてしまう...」と思い「(接地する Touch & Go ではなく、安全高度をとって) Low Pass ですか?」と聞くと、「はい、もちろんです、High Pass なんかではしません」と言う。何のことかと思ったら、Landing を Slow Flight の気持ちでソフトにやってみるということらしい。ひねられても睡眠不足の頭ではわからん。

帰って Engine Run Up での失態について Debriefing。Checklist は Check Ride に受からせるために作成したアンチョコであるという側面はあるが、表面的になぞっているだけでは本当に実施している雰囲気を醸し出すだけのアリバイになってしまう、Pilot Operation Handbook (POH) の Amplified Procedure を読んでシステムの理解をしろ、とのこと。Engine Instrument には RPM 計や Exhaust Gas Temperature も含まれる、Check Battery Charging では電力消費の激しい機器*2を作動させて Battery の消耗度合を確かめる、等々、知らないことが多々あった。

本日の重要ポイント

  • 寝不足のときはやはり飛ぶべきではない、準備不足のときは絶対に飛ぶべきではない
  • その日のレクチャー予定の科目をうまくこなすトレーニングと思うべきではない (もう PIC なのだから、Flight 全体に責任を負っている)
  • 常に Engine Failure を意識する、Traffic Pattern では Airport に Reach することを意識する
  • 下手に Aileron を入れなくてよい、飛行機は入力がなければ安定する
  • Checklist は表面的・形式的な一覧でしかない、POH の操作や諸元・制限をよく読み、その裏に何があるのか Checklist の根拠を理解しておく
  • ATC は普段からトレーニングしていないと、能力が格段に落ちる

*1:よく見るとこの手順は Checklist に書いてある。プラグに煤が溜まって燃焼に不具合が生じているため、Mixture Lean & Throttle 2,200 RPM にして煤を燃焼させてしまうようだ。

*2:Taxi & Landing Light が LED になってしまった今は Flaps くらいしか該当しない。

Radio Operator License

航空通信士 航空従事者技能証明

ネットで仕入れた不確かな情報ではあるが、航空無線通信士(無線従事者)免許と自家用操縦士(航空従事者)技能証明により航空通信士航空従事者)技能証明を全科目免除として申請・取得可能とのことだったため、確証のないまま申請してみたところ、問題なく証明書が発行された。

同じ航空従事者技能証明ではあるものの、自家用操縦士はアマ資格、航空通信士はプロ資格。保持したところで何ができるというわけではないが。ちなみに 航空無線通信士(無線従事者)は Aeronautical Radio Operator、航空通信士航空従事者)は Flight Radio Operator。

Radio Operator License

航空無線通信士受検

日本の空を飛ぶには JCAB ライセンス、JCAB 基準の航空身体検査、そして、無線従事者のライセンスが必要。日本で飛ぼうと本気では思っていないが、とりあえず無線従事者のライセンスを取得することにした。自家用操縦士として飛ぶには航空特殊無線技士という資格でよいのだが、操縦免許と違って自家用・事業用の間にコスト差があまりないため、プロ用の航空無線通信士を受検する。

勉強は...あまりしていない。仕事が忙しく 20 時間弱くらい、予定量の 70% 程度しか勉強時間をかけられなかった。そして迎える受検当日...

  • 無線工学

今回の試験はきわめて易しい。苦手な受信機・送信機のモジュール構成も簡単な問題しか出題されない一方、情報科出身としては寝てても解かる論理回路などが出題される。15 分で全問を解き終わり、あまりの簡単さを警戒して念入りに何度も確認してもかかったのは 35 分。途中退出が許される試験開始 45 分後まで 10 分待って退出する。

多くの受検生が 45 分で退出するため、監督官が列ごとに区切って退出させる。そのせいで、私が退出したときにはすでに廊下のベンチが人で埋まり、立ちながら次の法規の勉強をすることになる。

  • 法規

苦手な科目。勉強も不完全なのだが、それでいて絶対に再受検は回避したい。

初見の問題が A・B 問題それぞれで 2 問ずつ出題された上に、A 問題で正答を明確に憶えていないものが 1 問。全力で解答する以外に道はないのだが、皮算用してみる。A 問題は最悪 3 問誤答で 11 x 5 = 55 点確保、B 問題は最悪 25% 誤答で 30 x 75% = 22 点程度確保で 77 点かと。自信がない問題を適当に解答してもおそらく合格するのではないかとひとまず安心するものの、一応、全精力を傾けて正答を推理する。

多くの受検生が 45 分で退出するが、私はなおも問題に取り組む。ひととおり推理した上で解答し、そして見直し、考えても仕方ないという状況になり、試験開始 55 分後ごろ退出する。これまた、退出時には廊下のベンチが人で埋まっているため、近くの公園で簡単にランチを済ませる。

  • 英語

英語はいつもどおりきわめて易しい。過去問 4 回の平均正答率が 95% 程であったため、特に対策なし。

英会話 *1 の 2 問目は後半の大事な部分がよく聞き取れず、ちょっと焦るものの、それをひきずらず冷静に対処する。英会話は 7 問中最低 3 問正解しないと足切りになるが...どちらかというと満点を逃したかもという点で残念。事前にいろいろ読んだブログでは、発音が不明瞭だとか、日本人の変な英語だ *2 とか、速いとか、聞き取りにくくて難関と書かれており、脅かされたが、実際はそんなことはなく、おおむね 1 回目の読み上げで正確に理解できるため、さっさとマークすれば次の問題の選択肢を先読みできる余裕がある *3

読解の方も易しく、こちらはおそらく満点をとっていると確信する。この科目も退出時間までしばらく時間を持て余す。

英語は、(再) 受検者数が多い一方で途中退出する人も少ないことから、苦手な人が多いのだなぁと感じる。そして、試験後の周囲の会話から、英語の再受検で何度も来ている人、次の受検を覚悟する人などもわかったりする。まあ、この試験の受検者は、操縦士や航空業界を目指すプロ志向の人よりも、アマチュア無線から始めて 23 もの種類がある無線従事者資格 (の許される操作範囲) を広げようとして来る無線オタク資格ゲッターが多いであろうため、さもありなんとも思う。

  • 電気通信術

電気通信術は練習が必要と思いながら、フリーソフト PHTRY100 を利用した練習は試験前 1 週間に 5 回くらいしかできず、不安を抱えつつ本番に臨む。

受話は正確に書き取っていくが...2/3 くらい進んだところから緊張して手が、そして、文字が震えだす。ようやく 100 文字終わった〜と気を抜いたところ...それは勘違いで実はまだ終わっておらず、読み上げが続いたため、あわてて書き取りに復帰する。全文字書き取ったものの...震えと勘違いで注意散漫だった後半については大幅減点の可能性も若干あり。脱字 (聞き漏らし・脱字) なら -1 点だが、誤字なら -3 点となるため、注意散漫で K と Q、B と V、L と R などを書き間違ったりするのが一番よくない。

次に送話。送話は受検番号順に 3 人ずつ別室に呼ばれ、試験官と 1 対 1 となり、同室の隅で各組同時に始める。私は受検番号 3 番だったため、第 1 組目となる。早く終わるのはよいが、初受検なのに、周囲を眺めて慣れる余裕がないのが少し不利だった。「始めます、本文」と始めると、なんと対角に座っている受検者が読み上げるものと同じ文字列で、しかも、その受検者がやや大きな声であったため、非常にやりにくい...負けじと声を大きく、そして速度を速めて読み上げる。このやっかいな環境が気になりすぎて、途中、頭が真っ白になり、無意識に読み上げを続けていた。練習が不完全なため、無意識に読み上げると前述の文字を取り違えるリスクが高くなるところだが、なんとか間違わずにやり切ったようだ。試験官のフィードバックによると「所要時間 1 分 10 秒、不明瞭・読み直しが1箇所 (訂正は入れていないため無意識)、Papa のアクセントが前にある (本来は後ろ)、しかし、送話は充分合格水準です」とのこと。「むこうとシンクロしちゃったね、シンクロは有利かな、それともやりづらくて不利だったかな」とも...いや、やりづらい以外の何物でもない、なぜ、同じ文字列を同室の試験に使うのかと言い返す...ことは当然できず。


3 日後に公表された解答で自己採点すると、無線工学 64/70、法規 74/100、英語 100/105 は合格。法規は見積 (皮算用) が外れてヒヤヒヤする。電気通信術受話が及第ならば、一発合格となる。

*1:会話と言いながらただのヒアリングでしかない。

*2:これは電気通信術の受話のことかもしれない。

*3:問題文は 3 回読み上げられ、その後 1 分の解答時間がある。1, 2 回目の読み上げはゆっくり、3 回目は通常の速度。次の問題の前に「あと 10 秒です」との案内がある。

Private Pilot License

JCAB ライセンス受領

2 ヶ月前に申請した JCAB ライセンス (自家用操縦士技能証明書) を受領した。

交付通知が郵送されてくるため、それに基づき登録免許税 3,000 円を国庫金取扱機関 (郵便局等) に支払い、その領収書を書類に添付して、それと引換えに受領する。申請時に交付手数料を支払わないため、おかしいなぁと思っていたが、申請が受諾され、交付が決定してから支払うものらしい。

JCAB ライセンスは、紙製で「自家用操縦士技能証明書」「技能証明書 - 限定事項」「特定操縦技能審査/確認」の 3 枚綴り。汚れ防止のためにラミネート加工したいところだが...公文書をラミネート加工すると無効になるらしい。

Private Pilot License

JCAB ライセンス切替申請

一年来、悩みの種であった Private Pilot License の FAA → JCAB 切替を九段下の東京航空局に窓口申請した。提出書類は下記のとおり。

  • 申請書(19 号の 2 様式)
  • 航空局指定返信用窓付封筒 (通常郵便の切手添付)
  • 外国ライセンス (提示のみ:提出するコピーと照合される)
  • 外国ライセンスのコピー
  • 住民票(本籍記載)
  • 写真(3 cm × 2.5 cm)
  • 格通知書のコピー (航空従事者学科試験:非免除科目の航空法規)
  • 航空経歴書
  • ログブックのコピー (飛行機の場合、特に下記の記録部分)
    • 最新の飛行時間40時間以上
    • 実地試験を受けた部分
    • 野外飛行(単独飛行 5 時間、270 km 以上、2 回の生地着陸 = 3 レグを含む)
    • 夜間飛行(同乗教育、離着陸と航法を含む)
  • 単独野外飛行ルート (離着陸点間の 3 レグを直線で結ぶ) を記したチャートのコピー

先人のブログ等を参考にして準備をしてきた。先人の経験談を読むと、やはり切替申請は誰にとっても悩みの種らしい。外国ライセンスからの切替申請 (特に JCAB 形式ではないログブック) が航空局にすんなり受理されるか、なかなか不安を拭えないのがその理由。

実際に申請してみてわかったのは、切替申請は FAA ログブックでも受け付けてもらえる、航空経歴書に記載する項目を JCAB ログブック形式と同等程度に明確に提示できれば切替申請は恐れることはない、ということ。したがって、First Cross-Country に出る前に JCAB ログブックのフォーマットと航空経歴書を入手し、その形式で Excel でも使って Dual Recording しておくことを推奨*1する。

私の場合、訓練を初めて少ししてから JCAB ログブックを入手し、FAA, JCAB, Excel で Triple Recording していた。JCAB ログブックを使い始めたのは、あわよくばこちらで切替申請しようと考えたからだが、過去分の飛行ログについて教官の署名を再収集することが完了せず、目的は果たせなかった。Excel に記録し始めたのは、メンテナンスすべき FAA, JCAB 2 つのログブックを比較管理するためだったが、最終的にはこの比較表を再整理し FAA ログブックに添付して提出することにより、スムーズに切替申請したいという目的を果たすことになった。

FAA ログブックを使用している場合に気をつけるべきポイントとしては、航空経歴書に記載することになる重要な飛行時間 (機長時間、単独総飛行時間、単独野外飛行時間、野外飛行時間、夜間飛行時間*2)のレグは JCAB 形式でも Excel 等に記録を残しておくということ。さらに下記は厳禁。

  • 野外飛行の際に場周経路を廻って Touch & Go / Stop & Go をしない。
    • 場周経路飛行時間は野外飛行時間ではないと判定される可能性がある。
    • その飛行時間を控除しようとしても、レグを分けて記録していない限り、控除すべき時間について明確な根拠がないという事態に陥る。
  • 野外飛行の際に距離の近い空港に立ち寄らない。
    • PGSN - PGWT などは航法を利用せずに目視で飛行できてしまうため、野外飛行ではないと判断される可能性がある。
    • レグを分けて記録し野外飛行時間から控除したとしても、野外飛行の最中に野外飛行時間に相当しないレグが含まれるという奇妙な状況になる。

私は上記 2 つをやってしまったため、記録の上で不明瞭とみられかねない時間を前述の FAA / JCAB 比較表上で保守的に整理しなおした。ただしそれは、航空経歴書上ほとんど重視されない同乗教育 / 夜間野外飛行時間であったため、申請は意外なほどすんなり受理された。これがもし単独野外飛行 (3 レグ) において発生していたら、申請が通らず JCAB ライセンス取得は断念せざるを得ないという事態に陥っていたかもしれない。

FAA か JCAB かに関わらず、気を付けるポイントとしては、下記のとおり。

  • 単独野外飛行 (特に精査対象となる 3 レグの野外飛行) と夜間着陸は Touch & Go ではなく、必ず Full Stop する。
    • FAA 形式では無頓着になってしまうが、出発時刻 / 到着時刻も記録する JCAB 形式では Full Stop していないとみなされ、資格要件を満たさないという可能性がないとはいえない。
  • Check Ride までの飛行時間でいったんログブックの記録を終了させ、そのページに Check Ride までの Foot Total を記入する。同ページの Check Ride 以降に余っている行には斜線を引き、記録しない。(Check Ride 以降は改ページして記録する。)

航空経歴書(表)

航空経歴書(裏)

*1:航空経歴書にはさまざまな飛行時間を記録する欄があるが、その欄に付記されている番号が JCAB ログブックの項目番号と合致しているため、First Cross-Country に出る前に航空経歴書に目を通したうえで JCAB 形式の記録に慣れておくことが吉。

*2:航空経歴書には他に総飛行時間と計器飛行時間を記載することになるが、これらの時間が食い違うことはおそらくない。

Private Pilot License Training - 7th Day, 10th Stay

Check Ride

Wind 070 at 14 Gust 20。N9551L で 1.7 H の First PIC Flight、4 Landings。

Preflight が終わると Examiner の口頭試問が始まる。私の場合、質問された項目は Airworthiness Certificate, Registration Certificate, Personal Documents, Rudder Trim Tab, Static Discharger Wicks, Antenas (VOR, Com, GPS), Nav Lights, Cabin Air Inlet, Static Source Opening, Fuel Vent, Fuel Quantity, Oil Level。

乗り込んでメモを見ながら*1 Passenger Briefing を実施。ATIS をとるが Information "O" が "W" と聞こえなくもないという状況だったため「"O" だよね?」と確認する。このくらいの確認は許されるようだ。Tinian までの Flight Plan を作成したものの Simulation だと思っていたら、Examiner は Tinian が目的地 (とした Check Ride) だと FSS に電話したようで、Radio Communication は Tinian に行くとして実施することになった。

Engine Start し、K 教官に教わったとおりに Brakes Test をし、Runup Area へ向かう。ここが Movement Area か Non Movement Area かを問われる。Crosswind ではなく Taxi 中に Aileron を使うことはなかったため、Runup Area で Heading 090 からの風ならどうするかを問われる。Runup, Take Off Briefing をこなした後、Ground へ "Ready to taxi with information 'O', 2 hours trip to Tinian, Request left turn & flight following" として Taxi Clearance を得る。Short of RW 6R へ進み Contact Tower し、Take Off Clearance & Left Turn Approved を得て、出発時刻を記録。

RW 6R から Normal Take Off し、500 ft AGL を超えたところでその旨をコール。Left Turnし Guam Departure に 5,500 ft まで上がると伝える。ここで苦手な Enroute Climb Check を Memory Item として実施し、Checklist で確認。スムーズにできて一安心する。雲が 2,300 ft にあるため、その旨を Examiner に伝えて*2 1,500 ft くらいで一旦 Level Off。Clear of Cloud も実演することができた。幸い雲は大きくないため、すぐに上昇再開。ここで Turn Coordinator*3 が正しく動いていないことをアピールする。

昇ったところですぐ VOR Radial 030 に乗れと指示が出る。地上で VOR 設定をしたが、再度 Nimitz VOR を Ident し、スムーズに Radial 030 from the station に乗る。すると Examiner は Chart の Andersen AFB の北東地点に印をつけ「ここに Divert」と指示する。Guam Departure に "Cancel trip to Tinian, Remain local Area" と告げた後、Chart 上で距離を測り、風向きを考慮して所要時間を計算して Examiner に伝えると、さらに「何時に出発して、何時ごろ到着?」と質問される。的確に答えたのかそれ以上の質問はなく「Hood をかぶれ」と指示され、ここから Instrument のチェックに入る。

Hood をかぶりながら指定されたとおりに Turn, Level Flight, Climbing Turn をこなすと、次は Unusual Attitude。Unusual Attitude は直近あまり練習していないため自分で思うほどうまくいかなかったが、Examiner からは "Good" と言ってもらえ 2 本で終了する。そして「Guam Approach に Radar Vector to Agana Airport を要求しろ」と指示される。初めてのことだったため少しとまどったが、どうコンタクトするかヒントをもらって得られたのは Radial 250 to the station。VOR で Radial 250 に乗ると Hood のスキマから左前方下に Airport が見えてくる。Altitude 4,500 ft で Airport を Cross し*4Hood を脱ぐ。

ここからいよいよ Maneuver。各 Maneuver の前には、左右確認, Clearing Turn, Premaneuver Check, Status Check を忘れずに実施。4,500 ft で初めに Slow Flight。45 kt を超えると速いと指摘されるため、Vs1 = 44 kt 前後、Partial Stall に入る 40 〜 45 kt くらいを維持する。左右に1度ずつほど Heading Change をスムーズに安定してこなす。

次に Power-Off Stall。Landing Stall を選択。Stall の入り方がやや弱くやり直しを命じられるかなと思いつつ、Heading を修正して Exit する。やり直しさせられることなく続いて Power-On Stall。こちらは Stall 時に右に傾き、それを Left Rudder で直すと、今度は左に傾き、それを Right Rudder で直すと、また右に軽く傾くものの今度は落ち着いて Rudder で微調整 *5

一息ついて雲を避けて上昇。A/S 95, Altitude 4,700, Heading 280 とコールし Left Steep Turn。Altitude, Bank, Pitch がブレることなく一周し Heading 280 ドンピシャで Exit。「やった!」と思ったら、Examiner から「Heading いくつから始めたっけ?」... 何だせっかくコールしたのを聞いていなかったのかとがっかりしながら「Heading 280 ですよ ...」と。Right 360 を命じられることなく Maneuver 終了。

そしてここで Throttle Idle で Emergency。Keep A/S 65 kt、Search Landing Point。一旦下前方に見えたゴルフコースに定めるも、真下やや後方の空き地の方が近いかと思い直してターンしようとすると、Examiner が「いいよ、いいよ、前方で」と言ってくる。どうやら Examiner も試験しやすいところを見繕っているようだ。続いて Memory Item で System Check, Engine Restart, Declare Emergency。いつも 1 回はつかえる Procedure だが、本番ではつかえることなくやり切り、忘れずに Check By Checklist。風も計算し Reachable なところで旋回。最終旋回をやや長くとり Final を作ったつもりだったが、高度が高すぎて Landing 予定のゴルフコースが尽きてしまいそうになる。Forward Slip で高度処理するも間に合わず、右に控える次のコースに切り替える。もう Go-Around だろうと思っていても Examiner は「どうする? どうする?」というばかりで 500 ft AGL 近くにまでせまってくる。2, 3 度コース選定を変更したが、結局うまくいかないまま Go-Around。Examiner からは "Unsatisfactory ... Go Back to the Airport" という言葉が出たため、もうおしまいかもと気落ちしながらも、まだ Fail という言葉は出ていない、自信のある Landing を見せたいと気力を振り絞る。では空港へ帰るかと Approach Setup。ここで外を見てようやく Apra Harbor 側ではなく Ylig にいたことに気づく。Pago Bay からの Approach。

最初は Normal Landing。Flap 20°にして Final に入ると PAPI が 4 つ白で Too High となってしまった。Engine を絞るもののまだ高く遠いことから Pitch を下げて Approach すると A/S が 90 kt ほどになってしまい、Vfe を超えていると Go-Around を命じられてしまった。せっかくの挽回のチャンスが...と思いつつ、Left Traffic を廻り、次の Normal Landing*6 は 250 ft くらいのところに Touch Down をきれいに決める。Left Traffic を廻り、Request Stop & Go して、もう一度 Normal Landing。Flap Up し、完全に止まる前に Soft-Field Take Off を指示されたため、Flap 10°に入れ York を引き、止まらずに Soft-Field Take Off。また Left Traffic を廻る。Request Stop & Go して今度は Short-Field Landing*7。いつもどおりに降りればよいものの基準線に届かない事態を恐れて Ground Out でほんの少しだけ Throttle を足したところ、180 ft ほどの所にぎりぎり、しかも意識的に着けたというような Touch Down になる。Flap Up し、Maximum Brakes をかけて完全に止まる。Flap 10°に入れて Short-Field Take Off。その最中に Examiner が「今度は Right Traffic を Request して」と言う。Short- Field Landing * Take Off での Stop & Go なので Take Off Distance は短いものの「安全を見て Barrigada の丘の向こう側を周ります」と宣言して Take Off すると...Examiner が「もう曲がれ」、「曲がれよ!」、「Extend Upwind と言われたか? 曲がれ!」と圧迫してくる。それに従わずにいると...

あっさり「じゃあ、あのレーダードームの周りで Turn Around a Point」と言って Tower に "We will make some maneuvers on right downwind." と伝える。風上から Left Turn Around a Point に入る。ときどき Rudder で尾部を振ってズルをすると Examiner はちゃんとお見通しで「Turn Coordinator のボールを見ろ!」と叱られる。Turn Coordinator 動作不良のアピールが功を奏さない*8。そして Pago Bay そばで S-Turn。

最後に Request Option として Pago Bay Inbound。Forward Slip to Land を指示される。力いっぱい Left Rudder を踏み、Center Align を守るように Right Aileron を調整してきれいに降りる。Forward Slip to Land の PTS Torelence は基準線から 400 ft だが、安全第一のため教官も Examiner もうるさいことは言わない。しかし一応は気にして 400 ft に収める。Touch Down すると Examiner が "Contact Tower", "Contact Tower" と言う。これまで Option Clearance で Full Stop にしたことがなかったため、気づかなかったが、Full Stop することを伝えなければ Tower にはこちらの意図がわからない。

Turn Right at D して Contact Ramp。最後まで気を抜かないようにと Non Movement Area を Taxiing すると、向こうから S 教官が操縦する Sky Dive 機が寄ってくるため、距離を置いて道を譲る。ACI ハンガーで駐機し、Shut Down すると、Examiner が "Congratulations!!!" と握手してくる。長かった Private Pilot Training もこれにて終了。

*1:Passenger Briefing は別に覚える必要はない。紙を渡して「読んでおいて」でもよいらしい。しかし、伝えるべきことを伝えているかはチェックされている。

*2:Heading Change や Altitude Change など行動を起こすときは事前にコールすると「わかっているな」と思われる。

*3:N9551L は年末から調子が悪く、Vacuum Pump は直ったものの Electric Gyro と Taxi Light は最後まで直らなかった。

*4:Divert Point が Andersen AFB の北東だったため Rock Quarry → Airport → Apra Harbor と飛び、後半は島の南西にいたと勘違いしていたが、Heading 250 で帰ってきたことから推察すると、実は Airport → Two Lovers → Ritidian Pt. → Dededo → Airport → Pago Bay と飛び、島の南東にいたようだ。

*5:これは非常によかったらしく、Debriefing で「Excellent。君は Spin に入ることはないよ。」と褒められた。

*6:Touch Down Point の PTS Torelence は基準線から 400ft。

*7:Touch Down Point の PTS Torelence は基準線から 200ft。

*8:Electric Source がなく Turn Coordinator が動作不良でも、ボールは正しく動く。