今週の授業について (10/10 〜 10/15)

月6 税務会計A (勝島敏明先生)

祝日につき休講。

月7 戦略的思考とコミュニケーション (川本裕子先生)

祝日につき休講。

水6 国際会計トピックス (高橋健一先生)

今週のテーマは、Form F-1, Regulation S-X, Form 20-F。

Form F-1 では公開会社・SEC・株主の関係について、Regulation S-X では Pro Forma Financial Information について、Form 20-F ではセグメント情報欠落による限定適正意見 Qualified Opinion について言及。いずれも USCPA 試験科目 Audit の範囲だが、実務における処理・手続という観点からの解説で理解が深まる。というかここで初めて意味を理解した項目もある。

水7 応用コーポレート・ファイナンス (新井富雄先生)

今週のテーマは、投資案件評価の実例、過大/過小投資プリンシパルエージェンシー問題、フリーキャッシュフロー・バリュエーション。

経営危機においては、「投機的な投資が行われがちである」という過大投資問題と「事業投資よりも配当捻出が行われがちである」という過小投資問題。学生への質問で、前者は銀行出身者から「経営者の個人保証」、後者は証券会社社員から「財務制限条項」というインプリケーションを引き出す。この示唆に富む内容から「倒産の危機にあるときに増資を行うには債権放棄 (≠ 再建放棄) が必須」であろうと理解する。

10/26 締切の課題が出る。

金6 ミクロ経済学の基礎 (蟻川靖浩先生)

今週のテーマは、無差別曲線と限界代替率。

10/28 締切の課題が出る。

金7 事業再生 (田作朋雄先生)

今週のテーマは、不良債権問題概論。

不良債権が景気悪化を導くのか景気悪化が不良債権を生むのか、一般物価デフレと資産デフレ、循環要因と構造問題、モノづくりの本質、倫理と制度構造、バブル型不良債権と不況型不良債権金利とインフレなど。

事業再生には、マクロ経済を理解し、ミクロ経済のメカニズム・デザイン(=インセンティブ設計)を考慮する、経済全体を俯瞰する視座が必要だとのこと。事業再生を手がけるということは、個別問題への対応と思っていたが、まさしく「経世済民」なのだと感じる。「人々の行動原理は合理性である」ということにはまったく同意 *1

田作先生の講義では90分の間にトピックが10コくらい次々と取り上げられる。いずれも1つ2つエッセイが書けそうなくらい深いテーマ。

土3 アセット・プライシング (池田昌幸先生)

休講。

土5 ベンチャーキャピタル・マネジメント (秦信行先生)

今週のテーマは、ベンチャー・キャピタリスト。

先週見る予定だったビデオを鑑賞。ベンチャーと水平分業・モジュール化、ベンチャー・キャピタリスト / エンジェル / 一般ファンドの投資家が求めるもの・求められるものの違い、起業家と投資家の立場の違い、など。

この分野も「事業再生」同様、ファイナンス理論にとどまらず、制度設計・インセンティブ問題・産業構造変化などマクロ/ミクロ経済全体への視座が欠かせない。

*1:「社会事象のすべては経済理論で定義できる」というシカゴ学派 Becker & Mincer にさえシンパシーを感じるくらい。