月6 法学演習A (渡辺裕泰先生)
今週のテーマは、Taxes and Business Strategy 第2章。
租税手続の解説。配当・利子、配当・キャピタルゲイン間の優劣比較など。5/15 締切の課題が出る。
木6 債券インベストメント (四塚利樹先生)
今週のテーマは、イールドカーブ・スムージング。
債券価格とイールドは裏表の関係というごく当たり前なことの解説なのだが、Secondary Market に苦手意識をもつ私にはだんだんと難しく感じられるようになってきた。スポット・イールドとフォワード・イールドは原関数と導関数のような関係*1なので、スムージングが重要であることは容易に理解できる。
木7 インベストメント・トピックス (竹原均先生)
今週のテーマは、Exceptional Return, Benchmark, Value Added。
おそらくクラスで唯一、業界 (=ファンド・マネジメント) に疎い私には、業界の常識・用語がぽんぽん飛び交う前段の解説はきついが、数学によって解説される後段の Technical Appendix は容易に理解できる。なぜ現実のマーケットにおいて CAPM は成立しないのかから始まり、ベンチマーキングの真の意味の解釈を経由して、付加価値とはタイミング効果と銘柄選択効果だということに帰結する。叙述的な解説では全く理解できないであろう内容を数学で導出するこの講義は私にとって至宝である。最小分散フロンティアの導出・証明は一度通った道。
土2 バリュエーションとマーケット (岩城秀裕先生)
今週のテーマは、バリュードライバー式。
米国は財務諸表の遡及改訂 Retroactive Restatement をよく行うが、それでも3年を超える長期間の改訂は行わないので、バリュエーションのために骨の折れる独自調査をするとのこと。ERP 会計コンサルの立場から、大変な遡及改訂を3年「にも」わたって行うだけで充分積極的な IR 姿勢だと考えていたが、バリュエーションする立場からは確かにそうだろうと納得する。財務はあらゆる立場から観察することが重要 *2 である。
ぼーっと聞いている中で「会計基準」というワードに反応してしまう。この講義に限らず、仕事場でも街中でも「会計」「税」「仕訳」「転記」「内部統制」というワードや各種の勘定科目名を耳にするたびにピクッと反応してしまう自分がいる。それが「仕分け」や「天気」の聞き違いであったということもよくある。
土3 会社法A (川島いづみ先生)
今週のテーマは、取締役の善管注意義務・忠実義務と報酬規制。
ストックオプション付与の会計処理変更 *3 が役員報酬決定の根拠という法的解釈も変更したとのこと。内部統制不備による経営判断の誤りが善管注意義務違反に問われるかどうかを質問。世間の認知は時代背景に影響をうけるとのことなので、J-SOx 成立後は問われるようになるであろうと予想する。
善管注意義務を判定する基準を経営判断原則 Business Judgement Rule というとは知らずにいたが、それは私が仕事をしていくうえで常に意識しているポリシー。きわめて高度に政治的な、露骨にいえば「理不尽」な仕事と向き合うときにはこのポリシーと文書化が自己防衛のために欠かせない。相対的な人間関係で何事も決定しがちな企業(内) という場において、会計・税務・法務といった絶対的な基準を持っておくことは不可欠である。
土5 パーソナル・ファイナンス (池田先生, 川口先生, 四塚先生, 米澤先生)
今週のテーマは、パーソナル・ファイナンスにおけるアセット・アロケーション。(四塚先生)
理論はたいてい中立的な結果を導くものであり、「若年ほど危険資産への投資に旺盛な方がよい」というのは理論に背く叙述的な俗説だと思っていたため、「人生とは人的資本 (=労働所得の現在価値) を金融資本に転換するプロセスである」という経済学的考察に目からウロコ。Intansible Asset も含めてポートフォリオは設計すべきだというごく当たり前のことに改めて気づかされる。部分を知って全体を知ったと勘違いすることほど危険なことはないと反省。「人生はユニークなもので再現性がない」という発想からいままでパーソナル・ファイナンスには全く興味を示さず、コーポレート・ファイナンスに傾倒していた私だが、この考察で変わるかもしれない。