今週の授業について(06/14 〜 06/20)

木6 数理ファイナンス (中里大輔先生)

CEV モデル。

これまでの金利構造モデルを一般化した CEV モデルの紹介。CEV モデルは一般式では解析解が導出不能なので、制約つきで解いてゆく。

先週と同じく、微積分で進んでいくので理解が早い。

木7 リアルオプション (川口有一郎先生/長谷川専先生/山口浩先生)

成長オプションを考慮した企業価値評価。

不確実性がなければリアルオプション価値もない、が、リアルオプション価値のエビデンスを示しにくいのがリアルオプションの問題点。企業価値を、(多くの無能な) 経営者は DCF としか捉えていないが、株主は DCF + ROV として捉えているとのこと。

リアルオプションの問題点は、私がいつも主張している「実現しない未来はリスク・センシティビティの高い人間にしか見えない」というリスク・マネジメントの本質と同じ。ROV は経営戦略すなわち経営者の行動そのものの価値でなので、企業価値は経営者にとって自己観測系である。ゲーデル不完全性定理 *1 からすると経営者は企業価値について言及できないことになる、などと考えた。

*1:ゲーデル不完全性定理を経済に持ち込んだエッセイ「ゲーデルの貨幣」が週間金融財政事情で連載されており、大変おもしろい。