今週の授業について (05/29 〜 06/03)

月6 法学演習A (渡辺裕泰先生)

今週のテーマは、Taxes and Business Strategy 第5章 (前半)。

タックス・クライアンテール Tax Clientele と暗黙の税 Implicit Tax。税制を議論対象としながら、裁定・均衡という経済メカニズムを語る。6/12 締切の課題がでる。

月7 国際税務会計 (勝島敏明先生)

今週のテーマは、移転価格税制を利用した国際租税戦略。

わが国の移転価格税制の特徴などを解説。理論と実務、両面からの解説。

木6 債券インベストメント (四塚利樹先生)

今週のテーマは、金利の期間構造モデル。

今回は解説が叙述的に進む回なので理解の精度・効率 (=腑に落ちる度) の悪さを感じる。要復習。6/8 締切の課題がでる。

木7 インベストメント・トピックス (竹原均先生)

今週のテーマは、期待リターンと裁定価格理論 (APT)。

APT の理論的導出。APT のファクターとは収益率行列から導出される固有ベクトルであり、その意味は後から付されるものである。

APT のファクター導出は、フーリエ変換による波動の周波数分解に似ている。つまり抽出という演繹である。リターンはリスクに比例して決まるという直観的真実に帰納する CAPM に対し、なぜこれで記述できるのか論証することなく持ち込むファクターで説明されることが多い APT。帰納にしては直観的真実に帰着せず、演繹にしてはモデルの正当な導出過程・根拠を欠くため、理論ではまったくの劣位だと感じていた APT の意味を今回の講義でようやく理解する。意味を帯びたファクターを持ち込んで APT を説明するのは、演繹を帰納で語る誤りである。

土2 バリュエーションとマーケット (岩城秀裕先生)

今週のテーマは、クレジット・アナリシス。

信用格付けの実務面の解説。バリュエーションの理論面は食傷気味なので、実務面それも縁遠い信用格付けという分野が講義の対象となり興味を持つ。分析の目的や手法に触れ、興味が全くないクオンツやクレジット・アナリシスからなぜ私にスカウトがよく来るのかようやく理解する。

土3 会社法A (川島いづみ先生)

今週のテーマは、取締役の対会社責任と対第三者責任。

野村證券損失補填事件など興味をひかれるトピックも出るものの、論点としてはあまりおもしろくない。それは B.J. Rule だけ知っていれば業務遂行上問題になることはないと思っているため。会社法の中で自分が興味を持っている対象は、事業体スキームやガバナンスのメカニズム・デザインであるのだと改めて認識。

土5 パーソナル・ファイナンス (池田先生, 川口先生, 四塚先生, 米澤先生)

今週のテーマは、再帰的効用関数を用いた多期間ポートフォリオの分析。(池田先生)

前段は前回の理論の続き。パーソナル・ファイナンスの名からイメージする運用・実務の果実からかなり乖離してしまった。参加者は大幅に減り半分くらいに。後段はインプリケーション解説。長期では、株式は安全資産、債券は危険資産になるので、長期戦略的アセット・アロケーションでは long-short のアクティブ運用すべきだというパラドックス的な結果を導く。