Training for Instrument Rating - 3rd Day, 3rd Stay

Full / Partial Panel Instrument Flying (Lesson 3)

Wind 110 at 10 Gust 15。N9853L で K 教官と 1.2 H の Flight、1 Landing。(右は Preflight 中に撮った、フェリーで Guam に寄港している CZ B737-Max8。)

Outside of D にて Engine Runup すると Left Magneto が 200 RPM Drop となったため、以下の Additional Procedure に入る。この目的は、シリンダー内の Carbon を吹き飛ばすため。

  1. Throttle 2,200 rpm
  2. Mixture を左へ回しながら、少しずつ Lean に
  3. RPM が下がり、音が変わるピークを探り当てる
  4. ピークから Mixture を右へ 2 回転戻す
  5. 計時開始,30 秒待つ
  6. Mixture Full Rich
  7. Throttle 1,700 rpm
  8. Magneto Recheck
  9. 再度 NG なら “Flight Cancel” と Ramp Contact *1 し、ハンガーへ戻る

RWY 6R から Normal Take Off すると風に流され、6L の方までふらついてしまう。Vy でも水平線が見えるよう座席に高く腰掛けるべしとのこと。1,600 ft くらいにある雲を避け、2,500 ft に達したところで Hood Work 開始。

まずは Full Panel。Heading 10°単位で、また Climbing, Descending と併せて指示されるが、なんなくこなす。

続いて Partial Panel。ATI と HDG が隠され、高度調整は Primary = VSI, Secondary = ALT を、Turn は Primary = Turn Coordinator (T/C), Secondary = Magnetic Compass を頼りに行う。Magnetic Compass の目盛りが直感と逆向きで Confusing なのはお約束。Heading Change を Climbing, Descending と併せて指示される。おおむね出来るも、よりよく飛ぶために下記「重要ポイント」のアドバイスを受ける。Partial Panel Flying を実機で初めてやったと言うと、教官が驚く。初めてにしては精度が良かったのだろう。Confusing な Magnetic Compass に限らず、ときおり操作すべき方向性を誤ることあり。T/C は Bank 角を正確に表していないため、一度 Overbanking で高度をロスしかける。

Hood を外し、空港へ帰還する。ポジションは Nimitz Hill とその南の丘の間、高度 1,500 ft。Ceiling が 1,600 ft ほどしかなく場所によっては 1,500 ft でも雲にかかりそうな上、Nimitz Hill を左回りに回ると Ceiling がさらに低そうなため、高度を下げて丘の間を抜けることに少々の恐怖心を抱きつつも Left Turn 180°, 1,400 ft で Leo Palace 方面へ向かう*2。ATIS を取り、Guam Approach & Agana Tower Contact。RWY 6R Cleared to Land。

本日の Landing も滑空がやや伸びてしまい、3 点着陸気味で Exit at E。3 点着陸は接地面への荷重が弱く、風を受けて横にブレるためよろしくないとのこと。

本日の重要ポイント

  • Heading Change (特に Roll Out) は急激に行わない、Deep Bank や Overshoot にならないように
  • Climb は、初期に T/C の Ball で Left Turn Tendency の相殺を確認、A/S で Pitch を確認、安定したら Trim
  • Level Off は、VSI x 1/10 手前の高度から操作開始
  • 高度の Overshoot は Throttle ではなく、Pitch で調整する方がスムーズで早い
  • T/C は Bank 角を正確に表していないため、Overbanking しがち

*1:Ground Contact は不要。

*2:丘の合間に半分かかったところのため、後から考えると、CFIT を気にしつつ Left Turn 180°するよりも、Left 45° + Right 225°の Teardrop Turn にすればよかった。

Training for Instrument Rating - 2nd Day, 3rd Stay

Skipped Turn

台風通過による thunderstorm のため、今日は飛ばないブタ。

昼頃にはゴルフができるくらいには穏やかになるものの、ほとんど OVC。


[METAR]
PGUM 220233Z 11017G26KT 4SM -RA BR FEW009 SCT016 BKN022 28/28 A2979 RMK AO2 PK WND 11026/0230 RAB26 P0002 T02830283


[TAF]
PGUM 220105Z 2201/2306 10017G27KT 6SM SHRA SCT013 BKN025 OVC090 TEMPO 2201/2204 2SM +SHRA FEW007 OVC020
FM220800 13012G22KT P6SM VCSH SCT015 SCT030 BKN110
FM230100 15015G25KT P6SM VCSH FEW016 SCT030 BKN120

Geopolitical Risk

Saipan へのクロスカントリーにおけるかつての中継地点 Ritidian Point、いまはもうエアラインでもその近傍を通れない、またそのさらに外縁半径 5 NM、北側半円内は Squawk VFR では飛べないとのこと。これって IFF 必須ということ。昨今の北東アジア情勢を受けて Ritidian Point にはアレがおかれたらしい。

Training for Instrument Rating - 1st Day, 3rd Stay

Biennial Ground Review

Weight & Balance, Take Off & Landing Distance を作表した後、FAR の確認、というよりも口頭試問。アルコールの基準、フライト前に PIC が確認しておくべきこと、定期点検項目、航空機に装備されているべき計器類、Airspace、Chart の読み方、等々。大分うろ覚えながら、それなりに答える。

Biennial Flight Review

Wind 040 at 20 Gust 26。台風接近中、経験史上最高風速。N9853L で K 教官と 1.4 H の Bienniel Flight Review as Non-PIC Flight、3 Landings。

2 年ぶりの実機操縦。当日知り合った訓練生を後ろに乗せての Biennial Flight Review (BFR) 。

久しぶりの Preflight と ATC に若干の不安を抱くも、意外と出だし好調。Taxi to RWY 6R via D しようとすると Runway の向こう側 Taxi K を JL8944 B767-346ER が同じ RWY 6R を目指して Taxiing しながら Ground Contact してくる。先を越されてなるものかと慌てて Taxi & Hold Short of RWY 6R し、早口で "Hold short of RWY 6R at D, Ready for Departure, Request Right Turn." と Tower Contact。JAL の後にされるかなと思いきや、こちらに Clearance が出たため、急いで Runway に出て Rolling 気味に Normal Take Off, 800 ft で Right Turn to Heading 180, Climb and Maintain 2500. Pago Bay 通過あたりで "Leaving Control Zone" と通報するも、あまり伝わっていなかったようで Guam では "Request Frequency Change" というべきだと。

2,500 ft に達したところで 4 年ぶりの Slow Flight。うろ覚えの手順で Altitude 500 ft 下がってしまいながらも、Heading 維持しつつ Smooth Transition。500 ft のロスを + 500 ft/min ほどでスムーズに取り戻そうと + 1,000 ft/min になってい上昇率を抑えにかかったところ、なかなか上昇せず、時に下降してしまい Recovery に時間がかかってしまう。スムージングより乖離解消を優先させるべきと自省する。教官からは、Full Flap で高度が上がりにくいため、そもそもセットアップから高度維持を意識しなければならないとダメ出し。

続いて Altitude 2,750 ft, Heading 270 からの Left & Right Steep Turns。こちらは常時、高度とバンク角 45°を維持したまま、Heading 270 ぴったりに Roll Out。シミュレータ計器飛行訓練の成果で所望姿勢・高度・速度を維持する技量は以前より格段に向上している。

次に Power-Off Stall と Hood Work を難なくこなす...が、Power Down のときに Carb Heat を入れ忘れるのはご愛敬。Cruise Check の時も Blow 3,000 ft なのに Mixture Lean にしようとしたり、操作の基本・原理を忘れてしまっている面がところどころある。

Engine Failure では Memory Items として、Best Glide、風向を考慮した Best Field Selection、7 装置の確認 (Fuel Selector Valve, Mixture, Throttle, Carb Heat, Ignition Switch, Master Switch, Primer) を実施するものの、風速 (今日は強風!) と Checklist 確認を忘れていると教官から指摘が入り、Best Field Unreachable!

続いて、今回渡航のメインでもある VOR Navigation。Nimitz UNZ VOR 「からどちらの方角にいる」か問われる。N9853L に装着されているのは HSI ではなく旧式の VOR Indicator なのだが、この OBS Selector を適当にクルクルと回すと CDI Needle が 340 で中央に位置し、To 表示となったため、ベゼル下側の反対方位を読み「VOR から方位 160 にいる」と即答する。Heading を 340 に向けた後、「では距離は?」と問われ...はて DME 表示ってどこにあるのかと探してしまう。よく考えるとこれまで VOR/DME Indicator 設定はデモで 2 回ほどと机上のテスト問題しかやったことがなく、Cross Country は、今は亡き N9551L の GPS で Navigation していたため、無線設定 (や DME を個別に設定すること) などは忘れてしまっていた。無線設定は要個別訓練。Identification Morse は VOR では 8 秒間隔、DME では 20 秒間隔だと言われ、そういえば一度 Apra Harbor 上空あたりで DME のレクチャーを受けたようなと淡い記憶を手繰る。

ATIS を取ってから、"Inbound with Information Z ... (Intention 言い忘れた!) ... Request Touch & Go" と Tower Contact すると "Pago Bay Hold" と返ってくる。下を見ると Leo Palace Resort、忘れていたのは Intention だけではなく Position Report も、と反省。

Holding over Pago Bay であるため、Holding の練習をしようかとバンク角 12°で Standard Rate Turn をしてみたり、時間計測してみたりするのだが、半周回って西を向いたところで想定より南に 1 NM 超流されており、若干 Lost Position 気味になる。強風のため、ということで、今度は Turn Around a Point の要領で Shallow or Steep Bank を意識してみるが、やはり南に流される。

RWY 6L Cleared for Touch & Go となり、Soft Field Landing & Take Off をやることにする。強風のため、Flap は Max 20°にすると宣言し Approach。向かい風が強いためか、RWY がスローモーションのようにゆっくり近づいてきて高度調整が非常に易しい。風下から Touchdown しないように気を付けて Soft Landing。すぐさま Take Off で Upwind から "Request Left Turn"、久しぶりだっため Upwind とは言えても Downwind と言えず。Left Turn するとはたまた強風の影響ですぐに Mid-Downwind。Request Touch & Go して Before Landing Check。RWY 6L Short Final でやはり強風のため Overshoot。だが、スローモーションのため、アプローチ調整の余裕がある。再度 Soft Field Landing & Take Off で Left Downwind。N9853L の Flap Lever はバカになっているため、Flap 10°を維持できず、Flap Retract の状態での Take Off になってしまう。

最後は Short Field Landing。見せてやりましょう、得意の Cross-wind Short Landing を、と意気込み、AGL 5 ft まで Best Approach、ターゲットの〓 100 ft 以内に収まるところで、Gust に煽られ浮く! 滑空が伸び、Allowance 100ft 越えの 250 ft 地点にどっすん着陸。(´;ω;`) Taxi out via E. 横風と強風は違うと実感した Landing。

Approach & Landing でのダメ出しは、風上からの Approach は Overshoot になりやすいが、Overshoot は絶対避けるということ。Overshoot は Cross Control になり易く、General Aviation での事故率が高いとのこと。確かに風に抗い Overshoot から修正する場合、RWY Center Align しようと Aileron を風上側へ向け、とはいえ風上側へ Turn するわけではなく捻りを解消しようと Rudder を Runway 側へ踏んでしまいそうな感はある。

とはいえ、この強風では教官でも安定して降ろすのは難しいとのこと。Stabilized Approach のためには Gust Factor = 1/2 x Gust を Normal Approach A/S に加えるとよいとのこと。

本日の重要ポイント

  • FAR 91 を復習する
  • ATC が機を識別した上で "Stand By" するといった場合は、Control Zone に進入してよい
  • ATC には方言がある、その地域で伝わる言い回しをする
  • 大きな乖離を埋めるのが先、調整やスムージングは最後
  • 無線設定は個別訓練を要する
  • 風の影響をよく考慮する
  • 風上からの Approach は Overshoot になりやすいが、Overshoot は絶対避ける
  • Stabilized Approach Speed = Normal Approach Speed + Gust Factor 1/2 x Gust

Self Training for Instrument Rating w/ FTD

VOR Intercept & ILS Approach

都内某所で Flight Simulator による計器飛行訓練。Beechcraft Baron G58 で 1.5H。教官は元 JAL 機長の Y 氏。きっと氏の操縦する機に搭乗していたことがある。

本日は先日のリベンジ。高知空港 RJOK の SID (KOCHI REVERSAL FIVE DEPARTURE) と STAR (VOR RWY32) をリクエスト。教官から教わったインサイトがたくさんありすぎるため、実況形式ではなく重要ポイントによるまとめのみとする。

飛んだコースは KOCHI REVERSAL FIVE DEPARTURE → VOR RWY32 Approach (161 outbound → 324 inbound) → Missed Approach → Heading 324 → Heading 178 → Heading 043 → Teardrop Entry & Holding on SUSAK → Heading 080 → VOR RWY32 Approach → Landing on RWY32。

Holding Pattern はやる予定がなかったが、つまみ食いだった知識をフル活用する。結果オーライだったが、気づきがあるため後述する。



本日の重要ポイント

  • チャートの読み方をマスターする
    • チャート読み合わせのフローを確立する
    • 実スケールのチャートなら定規で測ることもあり
  • チャートには最小限の制約しか描かれていないため、自分でコースデザインする
    • ミニマムや技量が許すならもっと小さく回っても良い *1
    • 攻めるコース、標準的なコース、保守的なコース、と幅を持たせてコースどりを自分でデザインする
    • missed approach や emergency を含め、うまくいかなかったときのことを常に考える
    • 速度・バンク角・カーブ幅の関係を把握しておく *2
    • 機種 (airspeed により距離や時間が異なるため、自分でデザインする
    • ホールディングの時間、エントリー、方位、CDI の見え方を見積もっておく
  • 着陸地点からの直線距離 (DME) と高度とのバランスを常に意識する … 10 NM : 3,000 ft
  • VOR/DME とランウェイエンドの関係を把握しておく
    • VOR との位置関係、WCA を勘案し、視界が開けた時に滑走路がどちらに見えるか想定しておく
  • 目標までの距離が近ければ、あえて best intercept せず、直角気味に intercept する
  • 常に一歩先を意識する
    • 時間に空きができたらブリーフィングする
    • ブリーフィング、チェックリスト、スイッチ操作含め、次にどこで何をやるか先々を考えておく
  • インテンションを明確にする
    • やろうとしていることをブリーフィングで詳細に説明できなければダメ
    • ATC やコパイにインテンションを言明する、言わなければ狙っている通りか誤りかわからない
    • ATC が誤ることもある、自分でチェックする
  • 計器のブレは何かに傾倒していることのバロメータ
  • 計器飛行訓練はスキマ時間にイメトレできる

本日の気づき

  • Holding Pattern には、おそらく Timed Turn で回るものとグラフィカルに旋回開始地点が定められているものがある
  • Holding Pattern は、基本、ジェット機用に設定されているため、低速の小型機で後者を回るのは時間がかかる
  • いずれにせよ、Holding Pattern を回る方位、旋回開始地点、速度、所要時間、バンク角、旋回半径は予めシミュレーションしておくべき

*1:outbound 161 と inbound 324 の成す鋭角は 17°であるから DME 10 NM であれば、旋回開始・終了地点間の距離は 2.96 NM。制限速度 200 kt で標準旋回したとしても、その旋回直径は 2 NM であるため、充分に余裕がある。100 kt の Baron なら、DME 5 NM での旋回でも余裕。

*2:標準旋回なら旋回直径 (NM) は airspeed (kt) ÷ 100 になる。

Self Training for Instrument Rating w/ FTD

VOR Intercept & ILS Approach


都内某所で Flight Simulator による計器飛行訓練。Beechcraft Baron G58 で 1.5H

本日は VOR Intercept を練習したいとリクエスト。横須賀 VORDME を目指しましょうとのことになったため、羽田空港 C 滑走路 RJTT RWY 34R を Take Off した後、Passing 800 ft でとりあえず Climbing Right Turn to Heading 180 としてみる。

ここで Pause して、NAV1 を横須賀 VORDME (HYE 116.20 MHz) にセットする。Pause を解くと CDI Needle がするすると動いたため、それに合わせに Bank させてしまう。本当はその前に OBS を回して局への方角と距離を特定するべき。OBS をセットすると横須賀 VORDME 240 radial inbound となる。今回使用している航法計器は HSI という Heading Indicator と VOR 機能が合わさったもので、CDI Needle のオフセット表示で所定コースからの乖離を表現するもの。HSI の場合、Intercept はオフセット表示されている CDI Needle の先端へ Heading を向けることで最適な Intercept ができるとのこと。横須賀 VORDME の近傍まで来ると CDI Needle が敏感になるが、その頃には CDI Needle に依拠せず Heading を一定に保つようにして、局直上を通過し、From-To のスイッチを確認する。

すると今度は、木更津 VORDME を経由して RJTT RWY 34R へ ILS Approach してみることに。NAV1 を木更津 VORDME (KZE 114.50 MHz) にセットし OBS を回そうとすると、教官からデジタル計器では OBS を押すと局への最短コースを Auto-Align しますよとのこと。やってみると 木更津 VORDME 060 radial inbound となる。その後に狙うは Heading 337 の RJTT 34R であり、060 radial inbound では約 80°左旋回が必要になってしまうため、「5 NM くらい前に一度右に振ってから 340 radial で inbound すればよいですかね」などと言いながら、横須賀上空を旋回する。旋回では CDI Needle を合わせようと HSI を凝視するあまり、Bank を 75°くらいにまで傾けてしまい、慌てて戻す。「航法計器は (局の近接でなければ) 急激に動きはしないため、Primary Instrument 優先として、時折スキャニングすれば充分」と注意を受ける。

結局 060 radial で局近傍まで飛ぶことになり、そこで NAV2 に RJTT RWY34R ILS (ITC 108.90 MHz) を設定。RWY34R に Precision Approach する。Localizer に乗って Heading 337 を終始維持する一方で、おおむね A/S 105 kt, VSI 500ft/min を維持しつつも、Glide Slope のサインが上下にブレたときの修正方向が分からず次第にブレ幅が大きくなってしまう。気象は ILS CAT II 想定で設定されているため、高度 200 ft くらいで空港が見えてくる、が、Runway にアラインしていないため、Bank を 60°くらい入れ、かなり強引に合わせにいって着陸。





続いて慣れていないところで練習するとのことで、高知空港 RJOK の SID (KOCHI REVERSAL FIVE DEPARTURE) と STAR (VOR RWY32) をやることになる。初めての SID/STAR、VOR Approach。

初めに SID のブリーフィング。RWY32 から上がって 800 ft を超えたところで Right Turn to Heading 205、6,000 ft で VOR Fly Over したら Heading 160 で 10 NM まで離れる。2,500 ft まで上昇勾配が 6% と結構きついのは空港北側に障害物があるため。A/S をよくチェックして最大上昇角速度 Vx で上がるかと心に刻み、まずここまでやってみる。Vx を少し超える 90 kt で上昇、800 ft に到達したことをコールして Climbing Right Turn。障害物を超えたであろう Heading 090 の頃になって Climbing Rate を少しさげ、KOCHI VORDME 205 Radial Inbound に乗る。しばらくして VORDME ヒット ... at 4,500 ft ... 6,000 ft で Fly Over するところ。Heading を 160 へ向け、しばらく上昇を継続した後 、Pause してデブリーフィング。チャートを見て Fly Over は 6,000 ft "Minimum" であったことを確認する。上昇を少し緩めたとは言え、そこそこのペースで登ってきたはずであるのに 1,500 ft も足りないということは相当厳しいコースであったということ。事前にもっと Turning Rate や Vertical Speed を計画すべきであった。




さて次は STAR のブリーフィング。KOCHI VORDER Radial 161 Outbound で DME 10 NM まで離れ、Left Turn、今度は Radial 324 Inbound で 5 NM 前の YASYE (FAF 1,624 ft)、KRE (VDP*1 450 ft / CAT D) を経由して RWY32 へ。Pause を解消してリスタート。(深い考えなく適当な Vetical Speed で) 降下を始め、DME 10 NM で Turn Left、Heading 324 へ。降下を継続していると、教官が「VDP 450 ft を下回ると、試験だったら一発 Fail だからね」と言う。ええ、ええ、知ってますとも。目視できない中 MDA 割ったら即 CFIT でしょう。航空事故研究家としてクロスエア3597便とか大韓航空801便とかもおさえております。で、Minimum を割らないように留意しながら降下すると ... Too High at FAF ! 慌てて降下率を上げるのではなく、Left 360 Turn して 1,000 ft ほど高度調整する。それ以外の CDI Needle トレース、Vertical Speed や A/S は安定的にこなし、降下さえ誤らなければよい Approach だと評価される。VDP 以降は Visual で Smooth Landing。

むー、SID といい STAR といい、VOR & DME で高すぎず低すぎず指定コースを Track するのは、針の穴を通すようだ。


本日の重要ポイント

  • VOR や ILS Localizer ではコースからオフセット表示されている CDI Needle の先端へ Heading を向ける。
  • CDI Needle, Localizer, Glide Slope は所定のコースが表示される。表示されるマークの方へ機体を持っていく。
  • (局の近接でなければ) 航法計器は大きく動かない。Primary Instrument を優先し、航法計器に集中しないこと。
  • VOR を利用する際は、まずチャートを見る、VOR 設定直後に VOR Identify をすることを忘れない。それから
    • (Direct to the Station の場合) Couse Selector を Bearing "TO" the Station として On Course にし、局の方位を特定する。
    • (指定方位で inbound/outbound する場合) Couse Selector を指定方位に設定する。
  • VOR Approach 非精密進入は事前によく計画すべし。

*1:目視降下点 Visual Descending Point : 非精密進入で滑走路を目視確認して最終降下を開始するポイント。通常、PAPI のグライドパスと MDA の高度ラインが交差する点。ここで滑走路が目視できなければ Missed Approach。

Self Ground Training for Instrument Rating

標準旋回率 Standard Rate of Turn

諸元はいろいろ操作してみて探るのではなく、あらかじめ身に着けておくことが計器飛行には大事と前回のシミュレーション訓練で自覚する。そこで Holding Procedure などでいずれ必要になる標準旋回 Standard-Rate Turn についてあらかじめ自己学習しておく。

Standard-Rate Turn は、2 分で 360°旋回する。そのための Bank 角は速度 A/S で決まる。ここまでは書籍でもサイトでもよく解説されている (参考) が、なぜそうなるかという解説は見当たらない。そこで、ここではこの Bank 角を導出する。


高度を維持したまま旋回するとき、飛行機は等速円運動となる。等速円運動のとき、向心加速度 a \quad {\small (m/s^2)} は 速度 v \quad {\small (m/s)} と角速度 \omega \quad {\small (rad/s)} を用いて \displaystyle a = v \cdot \omega (式①) と表せる。飛行機の重量を m、揚力を F とすると、Bank 角を \theta としたときの向心力は F \cdot sin \theta = ma (式②) となる一方、揚力の鉛直方向成分は F \cdot cos \theta となり、高度維持の場合はこれが重力と釣り合うことから F \cdot cos \theta = mg (式③) *1となる。すると、式②③から向心加速度は a= g \cdot tan \theta (式④) となる。F, m はキャンセルアウトし、向心加速度には影響しない。式①④より、tan \theta = \frac{v \cdot \omega}{g} となるため、Bank 角 \theta = arctan(\frac{v \cdot \omega}{g}) となり、速度と角速度 (旋回率) のみによって決まることがわかる。ということで SI 系からの単位変換をすると実際の Bank 角は下表のとおりとなる。

Standard-Rate Turn の Thumb of Rule としては、Bank 角は A/S を 10 で割って 1.5 を掛ける。また、転針所要時間 (秒) は角度を 3 で割る (3° = 1 秒)。Half-Standard Rate の場合は、それぞれの半分なり倍としてよい。


Bank 角と転針所要時間を計算したことで、Roll In / Out のタイミングを計算したくなるが、微積分が少し必要になるため、これは次回に繰越し。

Turn Rate & Bank

Air Speed (kt) Bank Angle (degree)
Double-Standard Rate Standard Rate     Half-Standard Rate  

40

12.4

6.3

3.1

50

15.4

7.8

3.9

60

18.2

9.4

4.7

70

21.0

10.9

5.5

80

23.7

12.4

6.3

90

26.3

13.9

7.0

100

28.8

15.4

7.8

110

31.1

16.8

8.6

120

33.4

18.2

9.4

130

35.5

19.7

10.1

140

37.6

21.0

10.9

150

39.5

22.4

11.6

160

41.3

23.7

12.4

170

43.0

25.0

13.1

180

44.7

26.3

13.9

190

46.2

27.6

14.6

200

47.7

28.8

15.4

250

53.9

34.5

18.9

300

58.8

39.5

22.4

350

62.5

43.9

25.7

400

65.5

47.7

28.8

*1:重力加速度 g = 9.80665 \quad {\small (m/s^2)}

Self Training for Instrument Rating w/ FTD

Full/Partial Panel Instrument Flying

都内某所で Flight Simulator による計器飛行訓練。Beechcraft Baron G58 で 1.5H。

前回訓練の教訓である「ADI を primary として pitch と bank を維持する」を活かして、終始、繊細なコントロールをする。計器スキャニングが偏らず満遍なくできると見るや、教官が ATC 風に高度や方位を指示する。聞き取れはするのだが、意識が計器に集中しすぎているためか憶えられず "むー、Say Again ..." と返す。集中してはならない、という教訓は、計器に限らず操縦すべてにおいて適用される。

Instrument Flying のセスナ実機訓練では、Vacuum Pump 故障 (= ADI と HDG の故障) にのみ備えればよいらしく、「(通常の) Partial Panel Flying はもうよいでしょう」 と言われ、計器をほとんど隠して「VSI だけで 1,000 ft 降下して」と指示される。咄嗟に VSI で -500 ft/min に設定し、心中で 2 分をカウントしながら降下すると高度も方位もぴったり狙った通りになる。が、ダメ出し。プレッシャーがかかる中で自分でカウントするのは誤る原因になると。実機で同じ方法を使って雲中を 2,000 ft に降下できるかと言われれば、確かに恐ろしくてできない。このようなときはバックアップ計器と備え付けの時計を使うため、搭乗前に必ず確認しておくとのこと。

アプローチの際、操作のほとんどは A/S を基準にするが、A/S が故障した場合にということで VSI を利用して降下する方法を学ぶ。「3° Path を維持するにはさて VSI はいくつにすればよいでしょう?」と問われ、Glide Path 3° は 1,000ft : 3NM であるという滑空比は即答するものの、(セスナ C172 であれば) これが確か 2 分くらいだから ... と段々あいまいになり、-500 〜 600 ft/min くらいではないかと当て推量する。これは後で調べる宿題 *1 とする。前回の HDG を隠した 180°旋回や今回の ALT を隠した 1,000 ft 降下など、Partial Panel Instrument Flying はナビゲーションにも利用される。これは要訓練。要イメージトレーニング。

時間が余ったため、Cross-Wind Landing の練習をすること 3 回。

前回の反省を踏まえ事前に Baron の POH はクイックレビューし、主要な V-Speed は表にした上で臨んだ。しかし、想定していなかった Simulated Emergency でほとんど何もできないままクラッシュ。今日の訓練リスクエストは Partial Panel Instrument Flying だったから、とか、Multi Engine Rating は未取得だから、とか、Baron の実機に乗ったことがない(ためにギア、フラップ操作も教官任せにしている)から、とかすべて言い訳。Emergency はいつ起こるかわからないし、待ってはくれない。Private Pilot License 取得直後に事故が多いのは、諸元を調べず不用意に様々な機種に乗りたがるからだとのこと。これ重要。

本日の重要ポイント

  • 搭乗機の諸元を (Emergency にも対応できるように) 把握しておく
  • 搭乗前にバックアップ計器と時計 (の位置・正確に稼働しているか) を確認しておく
  • 計器故障時には、依拠する機器をバックアップ計器や時計にすぐ切り替える

以前の復習ポイント

  • 風下からの接地は危険行為
  • 追い風の着陸はパワーを絞る

Glide Path (1,000 ft 当たり所要距離・時間および降下率)

Glide Path Note

Altitude

(ft)

1,000

1,000

Distance

(NM)

3.1

2.4

VSI

(ft/min) =

5.3

7.1

* A/S (kt)

VSI

A/S (kt)

ft/min

min

ft/min

min

60

318

3.1

425

2.4

80

425

2.4

567

1.8

100

531

1.9

708

1.4

120

637

1.6

850

1.2

140

743

1.3

991

1.0

160

849

1.2

1,133

0.9

3,000ft 以下制限速度

ピストン発動機

180

955

1.0

1,275

0.8

200

1,061

0.9

1,416

0.7

3,000ft 以下制限速度

タービン発動機

250

1,327

0.8

1,770

0.6

10,000ft 以下制限速度

300

1,592

0.6

2,124

0.5

350

1,858

0.5

2,478

0.4

400

2,123

0.5

2,833

0.4

450

2,388

0.4

3,187

0.3

*1:10,000 ft 未満では Glide Path 3° だが、調べたところ 10,000 ft 以上は 4° で降下するのが標準らしいため、これらを併せ作表。