ストックオプション裁判その後

id:Crayon:20050118 の続報。
日本経済新聞の記事より。

ストックオプションは給与所得・最高裁が初判断

ストックオプション(株式購入権)で得た利益が「一時所得」か、税額がほぼ倍になる「給与所得」に当たるかが争われた訴訟の上告審判決が25日、最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長)であった。同小法廷は「給与所得に当たる」との初判断を示し、納税者側の上告を棄却した。国税側勝訴の2審・東京高裁判決が確定した。

 ストックオプションによる利益の扱いを巡っては約100件の同種訴訟が起こされ、労務の対価として所得税法上の「給与所得」に当たるか否か、地裁レベルの判断が分かれていた。今回の最高裁判決で、司法判断は「給与所得」で決着することになった。

 訴えていたのは、米アプライド・マテリアルズ社の日本法人の元社長、八幡恵介氏。在職中に米親会社から付与されたストックオプションを1996―98年に行使し、利益約3億6000万円を一時所得として確定申告したが、国税当局は2000年、給与所得に当たるとして約8000万円を追徴課税した。 (15:12)


ストックオプション行使による利益が給与所得なら、給与所得の課税繰延も費用・資産取引の相互変換も可能。
会社役員には大変有利な節税スキームができる。
かくして本質を捉えない非合理な司法判断が新たなるもぐらたたきを呼び起こす。


裁判官らの浅はかさにもう言うことはないが、国民審査で不信任票を投じるために記事をメモしておく。

日本国憲法

第七十九条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、
      内閣でこれを任命する。
      最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後
      初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
      前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
      審査に関する事項は、法律でこれを定める。
      最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
      最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。


最高裁判所の裁判官は内閣が任命するのだと知った。ということは、最高裁が政府寄りの見解を出すのは当然。三権分立などお題目にもなっていない。国民審査で弾劾できるとはいえ国民の関心など国政選挙にすらはるかに及ばず、最終結審した後に最高裁裁判長を罷免したところで非合理な判決が覆るわけもなし。


日本国憲法は全く無意味なガバナンスを規定している。